『スプラトゥーン3』と『ゼノブレイド3』。待望の発売日決定が生んだ憶測と因縁

『ゼノブレイド3』の発売日は、『スプラ3』の発売延期に影響されて早まったのか

　その“憶測”とは、大人の事情で両タイトルの発売日が意図的にズラされたというものだ。

　先に紹介したように、『ゼノブレイド3』は当初、2022年9月の発売を予定していた。そのため、今回の変更がなければ、『スプラトゥーン3』の発売と完全に時期が重なっていたことになる。もし同月内での発売となれば、それぞれの初動売上にマイナスの影響を与えていただろう。「どちらも今月発売されるのなら、とりあえずこちらだけ」となるケースはあっても、「今月両方発売されるのなら、（どちらかだけにしようと思っていたけど）両方買おう」となることはほぼないだろう。

　一方、『スプラトゥーン3』は、『ゼノブレイド3』の存在が明らかとなった「Nintendo Direct 2022.2.10」で、今年夏の発売が発表されていた。こちらは当初の予定より後ろ倒しとなる秋口の発売となったことから、想定より開発に遅れが出ているものと予測できる。つまり、両タイトルの発売日の住み分けは、『スプラトゥーン3』の進捗に『ゼノブレイド3』が左右された結果であり、後者のファンからすると、前者の都合で一方的に振り回されたように映るというわけだ。

　特に直近のゲーム業界では、「さらなるクオリティアップのため、発売日を延期することにした」との文言が、開発遅延の理由の常套句となっている。逆に言えば、発売日の前倒しは、クオリティダウンにつながる面もあることになる。

「今回の前倒しで『ゼノブレイド3』のクオリティが下がったら……」

　早く手に取れることが喜ばしい反面、ほかのタイトルの都合で期待している作品の質が下がることは認め難いという、ファンの複雑な胸中が透けて見える。

　もちろんこうした議論の前提には、発売日の住み分けが大人の事情によるものという憶測がある。真実は関係者と神のみぞ知るといったところで、きっと今後も確かめようがない。めぐる動きにこれ以上の波風が立たないためには、『スプラトゥーン3』『ゼノブレイド3』の両タイトルが予定どおりに発売され、ファンの期待どおりの評価を獲得することが肝要となるだろう。2022年を代表する注目2タイトルだけに、しこりの残る結果だけは避けたいものだ。