VTuberが中の人を公開し、メタバースで雇用が誕生……『スノウ・クラッシュ』から30年の現在は“空想”を超えるか?

 時代に合わせて、VTuberのあり方も昨今は変わりつつある。とりわけ一つの流れとして「中身を公開する」という動きが始まりつつある。2018年より活動するVTuber・琴吹ゆめもその一人となった。1月29日に、自身の“中の人”が声優・飯塚麻結であることを公開したのである。「“中の人”の公開」の前例はいくつかあるものの、大々的な公開はいわゆる活動終了のタイミングが多い。琴吹ゆめの件で特徴的なのは、新たな活動展開の一環として公開に踏み切ったことだろう。つまり、以後も活動を続けるということだ。もともと「2.3次元YouTuber」と名乗り、TikTokへの進出や、小泉純一郎氏とのツーショット撮影と、枠にとらわれない活動が多かったこともあり、今回の新展開は彼女にマッチしているだろう。「サードシーズン」として中身をあらわにした、一人のVTuberの今後に注目が集まる。

 1月28日には期待のゲームがいくつか発売された。『Pokémon LEGENDS アルセウス』はその筆頭だろう。筆者も発売日から丸2日は寝食を忘れるほどに没頭した。その同日に、「VR MMORPG」のカテゴリを冠するVRゲーム『Zenith: The Last City』が発売された。VRMMOといえば、日本ではまず『ソードアート・オンライン』が連想されるが、本作もその着想のひとつに『ソードアート・オンライン』があるという。自由度の高い世界を、剣と魔法を手に冒険するという、多くの人が求めていたタイトルといえよう。その期待のあらわれか、サービスイン初日にサーバーダウンを引き起こしたとのことだ。

 余談だが、『ソードアート・オンライン』の作中に登場する同名のVR MMORPGも、2022年に発売されたという設定だ。作中では、約1万人のユーザーが初日にログインしたとのことだが、もしあのゲームのサーバーがアクセス過多でダウンしていたら、どうなったのだろうか。そんなことをふと考えた。空想された未来は、毎日現実によって上書きされていく。その上書き結果は時折、空想すら超えるほど奇妙で、エキサイティングであるものだ。

※1 https://note.com/nemchan_nel/n/n95296528aad9

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる