きまぐれクック、1億円超えのキッチンスタジオを建設 「夢の城」を持つYouTuberが増加中
ここ最近、有名YouTuberが次々と“夢の城”を購入したことを報告している。
魚捌き動画が人気のYouTubeチャンネル「きまぐれクック」を運営するかねこが1月9日、自身のチャンネルに公開した「本日より活動再開。とても重要なお話をさせて下さい。」と題した動画で、キッチンスタジオを建設したことを明かした。
かねこは、YouTube活動開始当初から現在に至るまで、亡くなった祖母の家を撮影場所として利用していた。しかし、知名度が上がるにつれてファンが訪ねてくるようになり、3年ほど前からはいたずらが横行。さらに、住宅街にあるため、隣家の生活音が入ってしまうなどの問題もあった。そこで、「寂しいけど、今後YouTuberをずっと続けていくうえで必ずどこかでしなきゃいけない決断」として、スタジオ変更を決定。かねこは「新しいスタジオを建てました。一から建てました。土地買って土地についてた上物の古屋みたいなのも全部壊して更地にしてそこに撮影に特化したスタジオを建てました」と発表した。
かねこによると、建設には1年半ほどの期間を要したとのこと。同日に公開された「【1億円超え】最強のキッチンスタジオを建てました!【ルームツアー】」と題した動画では、メインチャンネル「きまぐれクックKimagure Cook」の再生数から発生する広告収入のみで購入したこと、建設費用が1億2000万円であることを明かした。魚捌き包丁一本で、まさにYouTubeドリームを成し遂げたわけだ。
きまぐれクックのように、成功を収めたYouTuberが大規模な物件を所有するケースがここ数か月散見される。
たとえば、先日チャンネル登録者数1000万人を達成したはじめしゃちょーは昨年8月28日に、青春時代を過ごした所縁の地・静岡に、4階建ての中古物件を3億円で入手したことを公表した。現在は迷路のような敷地内の構造を利用してかくれんぼ企画を行ったり、広大な庭を活かして大規模な実験企画を実施するなどして話題を呼んでいる。
さらに、トカゲやヘビ、カメ、カエルなど様々な生き物を飼育する登録者数約69.4万人(1月11日現在)を誇る爬虫類系YouTubeチャンネルの「ちゃんねる鰐」を運営するYouTuberの鰐は8月20日、爬虫類カフェをオープンするために、かつて昆虫の博物館として利用されていた物件を買い取ったことを報告している。なお購入にかかった費用は2300万円ほどだったらしい。
いずれも、きまぐれクック同様に自分たちの個性が存分に発揮される“夢の城”を、YouTuberで稼いだ資金を元手に手に入れたわけだ。しかし、夢を現実化するうえで、障害はつきもの。はじめしゃちょーは物件購入当初、電気、水道、ガスなどのライフラインが多忙ゆえに開通できず、入居にてこずっていた。また昆虫館を買い取った鰐は、売主が敷地内のごみをすべて引き取るという話だったにもかかわらず、約束を反故にされ、そのせいでごみの処理に追われるという災難に見舞われている。かねこも1月11日に公開した「緊急事態が発生してしまってキッチンが使えない。」と題した動画にて、キッチンスタジオで声などの音が反響する現象「部屋鳴り」が発生すると説明し、「これは完全に盲点でした」と悔しがり、何らかの対策を講じると話した。
物件購入後に想定外の出来事が発生することはよくある。まして、YouTubeの撮影で利用するような大型かつ特殊なスペースであればなおさら、事前にすべての問題・リスクを仮定することは難しい。とはいえ、こうした困難を克服する過程も、動画のネタになるということがYouTuberの強みと言える。1年半の歳月と1億2000万円の建築費用を掛けたかねこのキッチンスタジオの部屋鳴り問題が解消し、晴れて理想の撮影場所として運用することができるのか。引き続き、注目していきたい。