きまぐれクック、5年間探した1万分の1匹の高級鮭を捌く 4年間変わらない安心感を分析

 魚捌き系YouTuber・きまぐれクックのかねこが、“世界一高いサケを手に入れた”との動画を上げ急上昇入り、話題となっている。きまぐれクックは、あらゆる魚介類を捌くことで視聴者を魅了する、登録者457万人の人気チャンネルだ。(10月15日現在)

1万分の1匹の高級鮭を捌く

きまぐれクックが5年間探してた、世界一高いサケ『ケイジ』がついに手に入りした!!

  今回捌いたのは、かねこが5年間探していたという、鮭の中でも最も希少な種類である“ケイジ(鮭児)”。全身トロと言われるほど脂の乗った鮭であり、捕獲率は一般の鮭の1万分の1匹だそう。希少なだけあり、昨年の市場価格はなんと1キロあたり20万円。

 高額で今まで手が届かなかったそうだが、今回かねこが日頃より懇意にしている魚屋から、登録者400万人記念でプレゼントされたという。思わぬサプライズに、動画冒頭でも感謝の気持ちを述べつつ、大喜びで今回捌くに至った。

 ケイジは、白鮭と呼ばれる一般的な鮭の一種。白鮭は日本の川で生まれ、海で数年を過ごした後、また生まれた川である日本に戻ってくるものが多いとされる。しかしこのケイジは、ロシアのアムール川で生まれた白鮭が、なぜか間違って日本の川にたどり着いたものを指すらしい。大きさも一般的に4~5キロまで育つ白鮭が、数年で2~3キロまでしか育たないという珍しい品種。そのため、腹にある卵や白子が成長し過ぎず、その分の栄養も身から持って行かれないため、栄養が行き渡った身は全身トロのように絶品なのだという。一般的な白子の脂肪率が2~15%なのに対して、ケイジの脂肪率は20%~30%であることからも、脂がよく乗っていることがお分かりいただけるだろう。今回はそのケイジを余すことなく使い、刺身と鮭茶漬けに大変身させた。

イクラ取り出し動画で3000万再生突破

【衝撃映像】キングサーモンのお腹の中身がイクラまみれだった King salmon 【has subtitles】

 鮭関連でいうと、かねこは毎年秋頃にサーモンを捌く動画を投稿しており、大量のイクラを取り出す動画が人気となっている。チャンネル史上最も再生された動画である、2018年投稿の『キングサーモンのお腹の中身がイクラまみれだった』は、現在3200万再生を突破。タイトル通り、パンパンに膨れ上がったメスのキングサーモンの腹を捌き、大量のイクラを取り出すと言った衝撃映像を投稿した。もちろん衝撃映像だけでは終わらずに、その後、鮭の炊き込みご飯に大盛りのイクラを乗せた“親子丼”へと調理し、美味しく食すまでが一連の流れとなっている。

 その他にも、調理中に生きたマダコが逃走しキッチン内を暴れる動画や、世界最大の蟹や巨大イカ、巨大トラフグを捌くといった巨大シリーズもまた人気動画となっている。

「きまぐれクック」というコンテンツへの安心感

 きまぐれクックは、2021年で開設約4年のYouTubeチャンネル。基本的にはさまざまな魚介類を捌き、食すというのがお決まりだ。しかし、開設から4年が経過した現在も安定して毎回100万回以上の再生回数をキープしており、急上昇入りもコンスタントに果たす人気を誇っている。

 調理師免許は持っておらず「料理経験0」の注意書きもあるかねこだが、手際の良い美しい魚捌きに思わず見入ってしまう映像が特徴にあたる。よく研がれた包丁で綺麗に身が下ろされていく映像には一種の気持ち良さも感じる。さらに、捌きながらの丁寧なトークも人気の秘訣であり、魚の知識や料理の手順、食レポまでを饒舌な口調で視聴者を楽しませる。その一連の流れに安心する視聴者は多いのではないだろうか。何年も変わらない、まるで行きつけの居酒屋の店主に会いに行くような安堵感は、まさに癒しにも近いと言えるかもしれない。

 近年、ネタや企画の構想に常に頭を抱えるYouTuberは多いが、かねこは『きまぐれクック』として、いつでも魚を捌き続け、我々に楽しいトークと美味しい料理を見せてくれる。この積み重ねてきた継続がまさに安定した再生数と、チャンネル登録の伸びに繋がっているのではないかと分析する。これからもかねこの好奇心と愛を持った魚捌きに期待したい。

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