“アラサー”にはなぜ「リアルな恋愛ドラマ」が刺さる? 3つの作品から分析

“アラサー”「リアルな恋愛ドラマ」が刺さる理由

PENG
(C)PLAYLIST

 同じく自身と向き合いながら“自分らしい”幸せの形を模索する主人公の姿に共感できるという点では、ABEMA独占配信中の韓国ドラマ『PENG』が挙げられるだろう。

 30歳を迎え、10年一緒にいた男性とも離婚したバツイチの主人公・サリはタイプの違う4人の男性に一気にアプローチされ“逆ハーレム”状態に陥りながらも運命の相手を見つけようと奮闘していく。彼女が呟いた「10年も一緒にいたから別れるのが怖くて。愛情もないのに」という言葉は、年齢を重ねれば重ねるほど変化を嫌い、現状維持に精一杯でどうしたって腰が重くなってしまう大人には耳の痛いセリフだ。恋愛関係を清算することは恐ろしいほどに気力や体力を消耗し、その嫌悪感からパッとしない相手でも“1人よりはマシかも”と余計な打算が働いてしまうものだ。

 本作は、4人のタイプが違う男性の中で“推し”を見つける楽しみ方も醍醐味ではあるものの、主人公がこの4人と対峙する中で自分自身を再発見しながら本音に気づき、自分を愛し、慈しんでいく姿に、上述したような「人間関係に腰の重くなった」自分を照らし合わせることで、きっと励まされるはずだ。他力本願ではなく自力で幸せになろうとする主人公の姿が頼もしく、彼女の姿勢からは“自分自身のご機嫌の取り方”や“自己肯定感の保ち方”などの処世術も学べる。

 恋愛ドラマは既視感のあるシチュエーションではあるものの、登場人物の悩みや苦悩には妙に身に覚えのある痛みを思い起こされる。その共感から、七転八倒する主人公の姿は他人事とは思えなくなり、ついつい肩入れしたくなったり応援したくなったりしてしまうのだ。恋愛ドラマは、いつだって正しくお利口でお行儀の良い、人に言えるような恋愛や感情ばかりじゃなくても、それもそれで悪くはないと思わせてくれるところが何度でもその世界に没入してみたいと思う理由なのかもしれない。

▼番組情報
ABEMA『恋愛ドラマな恋がしたい~Kissing the tears away~』
毎週日曜夜10時~放送
URL:https://abema.tv/video/title/90-1588

ABEMAプレミアム『私が獣になった夜~名前のない関係~』
URL: https://abema.tv/video/title/90-1602
【一部公開中】第1話『身体だけの夜、変われない私』
https://abema.tv/video/episode/90-1602_s2_p10

『PENG』
URL:https://abema.tv/video/title/571-2
予告編:https://abema.tv/video/episode/571-2_s1_p100

『少女の世界2』
URL:https://abema.tv/video/title/193-148
予告編:https://abema.tv/video/episode/193-148_s1_p1000

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