深海から10万年前のマンモスの牙が見つかる
陸地に生息していたマンモスの牙が、北米大陸の外洋から発見されたと、モントレー湾水族館研究所(MBARI)が発表した。
MBARIの操縦士Randy Prickett氏と科学者のSteven Haddock氏は、2019年にカリフォルニア州から300km離れた水深3070mの海底にて、象の牙のようなものを発見した。当時は一部分しか回収することができなかったため、MBARIは2021年に再度現地に向かい全てを回収した。
Haddock氏、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、そしてミシガン大学によるチームが解析したところ、この1メートルほどの牙は、コロンビアマンモスのものであることが判明した。深海の低い水温と高い水圧のため、牙は非常に良い状態で保存されていたようだ。今後はCTスキャンを使用し、このマンモスの歴史を解明する。
Haddock氏は、「深海を探査しているときは、予想外のことを期待します。それでも古代マンモスの牙が深海から発見されたことには驚いている」と語っている。また、ミシガン大学の古生物学者Daniel Fisher氏は、「この検体の保存環境は、今までに他の場所で発見されたものとは大きく異なっている」「過去に海からマンモスが発見されたことはあったが、数十メートルを超える深度で発見されるのは初」と、特殊な環境についてコメントをしている。
今後、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究チームは、どのようにして深海にマンモスの牙がたどり着いたのかを調査する。チームによると、今回発見された牙は、北米大陸で発見された保存状態が良いマンモスのなかで、最も古いもののようだ。研究の結果、10万年以上前に生息していたマンモスだと予想されており、「もし陸地で発見されていたら、ここまでスムーズに研究が進んでいなかっただろう」と研究チームのTerrence Blackburn氏は語っている。
(画像=Darrin Schultz © 2021 MBARI)
(Source)
https://www.mbari.org/mammoth-tusk-discovery/