バルミューダが生み出すスマホと家電の共通点とは?

 こうしてみるとBALMUDA Phoneは、現代スマホの画一さや、スペック競争にうんざりしている人をターゲットにしているように見受けられる。そして、この路線はバルミューダのこれまでの電化製品にも大いに通ずるものがある。

『GreenFan』

 たとえば、バルミューダの代名詞ともいえる扇風機『GreenFan』は、静寂性に優れたDCモーター採用の扇風機の先駆けとなった。それまでは当たり前の存在だった扇風機を、暮らしの質をあげる製品としてリデザインしたのだ。他にも美味しいパンを焼くことに特化した『BALMUDA The Toaster』や、インテリアのような佇まいの『BALMUDA The Pot』など、身近な電化製品を再発明してきた。

『BALMUDA The Toaster』

 再発明のターゲットが、今度はスマホになった。それがBALMUDA Phoneではないかと筆者は見ている。言い換えると、扇風機やトースターと同じくらい、スマホが身近な家電となりつつあるのだ。大きな市場には多様なニーズが存在し、スマホにスペックを求める人もいれば、デザインや独自性、携帯性などを優先する人もいるだろう。そうなると小型な本体と持ち心地の良い湾曲ボディは、ひとつのアドバンテージとなる。

 それに、現在販売されているスマホは、廉価モデルを除けばどれも性能面では充分なスペックを持っている。BALMUDA PhoneがSoCとして採用しているSnapdragon 765は、Googleの『Pixel 5』や、OPPOの『Find X2 Neo』、Xiaomiの『Mi 10 Lite 5G』など、2020年モデルのAndroidスマホに多く採用されてきた。これらのスマホは2021年現在も充分使えるスペックであるため、BALMUDA Phoneの処理性能もそこまで劣っているものではない。

 となると、最後に気になるのは予算だ。10万円あれば、最新のiPhone 13シリーズやAndroidスマホが手に入ってしまう。性能に対しての価格差をデザインや使い心地などに見出だせるかが、需要の分水嶺となるだろう。思えばこの感覚は「扇風機に3万円も出すのか!?」という、バルミューダ家電に対する感想に限りなく近い。ということは、一定の需要があるともいえる……?

 BALMUDA Phoneは、2021年11月26日より発売予定。ソフトバンクの独占販売で、価格はSIMフリー版が10万4800円、キャリアモデルは14万3280円。現代スマホに物足りないナニカを感じている人は、お近くのソフトバンクを訪れてみてはどうだろうか。

(Source)
https://tech.balmuda.com/jp/phone/
https://dempa-digital.com/article/253096
https://japanese.engadget.com/balmuda-phone-compare-iphone-se-072037355.html
https://japanese.engadget.com/balmuda-043850532.html
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2021/20211116_01/

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