錆びた鉄のフックから斧を作り上げる!? 『七つの大罪』神斧リッタを海外YouTuberが再現
錆びた鉄から美しい物を作り上げる動画は、どこか人を惹きつける。今回紹介したい動画は、海外YouTubeチャンネルRandom Handsの「Forging DIVINE AXE RHITTA Out of Rusted Iron HOOK - The Seven Deadly Sins」だ。公開日は2021年9月26日で、再生回数は約837万回にものぼる。
錆びた鉄のフックから斧をつくるのが、本動画の趣旨。しかしつくるのは、ただの斧ではない。動画でつくる斧は、漫画やアニメで人気の『七つの大罪』に出てくる最強格のキャラクター・エスカノールの武器である片手斧「神斧リッタ」だ。漫画では「太陽に愛でられし乙女の名を冠した戦斧」と表現されており、金色の美しいデザインが特徴の斧である。
まずは神斧リッタの刃の部分をつくるために、錆びた鉄のフックを切断し、高温で熱し叩いてまっすぐに伸ばす。この工程を「鍛造」と呼ぶのだが、これが大変なのだそう。実際に何十回以上も工具で鉄を叩いており、右手には痛々しいまめができていた。
神斧リッタを正確に再現するために、ベルトサンダーでの研磨や、工具での切断を繰り返していく。正確かつ細かな作業で、おそらく刃を形成するだけでもかなり時間がかかっているだろう。
神斧リッタの刃には金色の部分があるので、これを「ロストワックス」と呼ばれる鋳造方法で再現する。ろう(ワックス)を直接刃に接着し、また細かい部分は熱でろうを溶かして刃に流し込む。そのあと刃の周りを石膏で固め、乾燥したあと、できた空洞に溶かした鉄を流し込む。
石膏を取り除き、再度ベルトサンダーで刃を研磨し、布で拭きあげれば完成。漫画に出てくる神斧リッタのデザインが精巧に再現されており、今にも人を切れそうなほどの完成度だ。
ほかの部品も、ロストワックスの製造方法や、別の工法で作り上げていく。作業はすべて手作り。作りあげる斧自体は漫画に出てくるほど大きくないため、細かくて正確な作業が必要であり、その過程は見ていて惚れ惚れする。どの部品も、錆びた鉄から作り上げているとは思えないほど、光沢のある美しい仕上がりになっている。
すべての部品を組み合わせれば、神斧リッタの完成。全長26インチ(約66cm)で、重量は4kg。完成までになんと約3カ月もかかっており、精巧に再現するために膨大な労力を費やしたことがうかがえる。コメント欄でも「すばらしい!完成にかけた時間と労力は極めて優れている!」「彼のすばらしい作品はギャラリーを開くべきだ!」と絶賛の嵐であった。
■この記事で紹介した動画
「Forging DIVINE AXE RHITTA Out of Rusted Iron HOOK - The Seven Deadly Sins」
https://www.youtube.com/watch?v=d82ORj4FjUs