iPhone 13を非正規修理するとFace IDが使用不可に。iPad miniには「ゼリースクロール問題」が発覚

iPhone 13、非正規修理でFace IDが使用不可に

 Appleは9月15日、iPhone 13シリーズをはじめとしたさまざまな新製品を発表した。そうした新製品のディスプレイに関連して、いくつかの報告があがっている。その報告のなかには、不具合よりも根が深い問題をはらんだものもある。

「修理する権利」侵害の恐れ

 Apple製品専門メディア『appleinsider』は26日、iPhone 13のディスプレイを非正規に交換するとFace IDが使えなくなる現象を報じた。iPhone端末のディスプレイの破損はありふれたことであり、そうした場合にはAppleあるいは同社公認の修理業者に端末を持ち込んでディスプレイを交換してもらうのが常である。

 『appleinsider』が報告したのは、iPhone 13のディスプレイをほかのiPhone 13のそれと交換する言わばDIY的な手法を実行した時に生じる現象だ。同機種のiPhone端末のディスプレイを交換するだけなので、問題なく動作すると思われる。ところが、ディスプレイを交換すると正常に画面が表示されるものも、ディスプレイが不正なものであること、そしてFace IDが使えないことを伝えるメッセージが表示されるのだ。

 以上の現象は、スマホのDIY的修理に関する情報をYouTubeで公開しているチャンネル「Phone Repair Guru」の動画で確認できる(下の動画参照。とくに動画開始より3:00~3:50に注目)。

 こうした現象の発生から、Appleあるいは正規の修理業者がiPhone 13のディスプレイを交換する場合、何らかの特別な操作をすることが推測される。そして、特別な操作を必要とする仕様によって、不正規なディスプレイ交換を禁じているのだ。

 不正規なディスプレイ交換を禁じる仕様は、近年主張されるようになったユーザが自由に「修理する権利」を侵害している恐れがある。この権利をめぐっては、Appleの株主たちが同社の「反修理行為」の撤回を求める決議案を提出している。また、ドイツ政府はEUに対して、デバイスのスペアパーツを最大7年間にわたり自由に使えるようにする法整備を求めている。

 もっとも、Appleは品質とセキュリティを伝統的に重視しているため、ユーザの自己責任とは言え品質の劣化を招きかねない「修理する権利」の容認に消極的と考えられる。

120Hzにならない?

 iPhone 13シリーズのうちハイエンドモデルにあたるiPhone 13 Pro/Pro Maxには、リフレッシュレートが最大120HzとなるProMotionディスプレイが搭載されている。このディスプレイに関してテック系メディア『BGR』は27日、120Hzの性能が発揮されない場合があることを報じた。

 Apple以外のサードパーティのアプリ開発業者の一部が報告したところによると、サードパーティのアプリのアニメーションが120Hzではなく60Hzでしか表示されない、とのこと。画面スクロールの際には、120Hzで表示されることが確認されている。アニメーションとスクロールでリフレッシュレートが異なると、アプリの品質に悪影響を及ぼしてしまう。

 以上の現象は、バッテリー寿命を改善するためにサードパーティのアプリに何らかの制限を設定したためではないか、と推測するアプリ開発業者もいた。もっとも、Appleはこの現象を不具合と認めており、現在修正に取り組んでいる。近い将来のソフトウェアアップデートにおいて、リフレッシュレートに関する不具合は解消すると見込まれている。

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