連載:カルチュラル・シンデレラ・テクノロジー(第一回)
ノルウェー“写真加工=違法”の新法律から考える、世界と日本で異なる「盛り」の価値観
“自分の外見に自信がない人”の割合は93% それでも悲観していない理由とは
今って、自分が持ってる興味を示すような外見を作ることも進んでいますよね。たとえば、好きな漫画やアニメ、K-POPファンやジャニーズファンであるとわかる外見をし、複数のコミュニティに属して、外見を切り変えていったりもします。内にある興味を表現するために、外見を加工するという順番です。
だけど素の外見にとらわれすぎると、そういうこともできなくなるんじゃないかな。今日本では少しおとなしいですけど、海外の方のSNSを見ると原宿カワイイ文化が継続して盛り上がっているコミュニティがあります。そういう方々の投稿を見ていると、手先が器用で、ものづくりが好きな方が多い印象を受けます。外国の方でも、作品としての外見を見てもらいたくて、素の外見だけでコミュニケーションすることに息苦しさを感じている人もいるように思われます。
ユニリーバの調査による「容姿に「自信がない」と答えた10代女性の割合」という結果があるんですが、欧米諸国ではおよそ50%くらいなのに、日本では93%と圧倒的に多かったのです。その調査結果に対して、「93%が自信をもてないなんて、日本の女の子はかわいそうだ」というような反応が多かったのですが、そこには必ずしもネガティブな思いがあるわけではないと思うんですよ。女の子たちは化粧やデジタル加工して盛ることが大好きで、“満足しちゃったらおしまい”というスタンス。私が話を聞いても、みんな「自信がない」と言いますが、楽しそうです。すごくポジティブなんです。
逆に気になるのは、外見を加工することに批判的で、素の外見を大事にするヨーロッパでも、半分くらいの人が「容姿に自信がない」ってことですね。そういう方々の中に、原宿カワイイ文化を取り入れて、SNS上でいきいきした姿を見せている人もいるのではないかと思うんです。
(画像=Unsplashより)