まあたそが明かす、好きを貫くブレない姿勢 「なりたい自分っていうキャラになれたら勝ち」
準備も、撮影も、確認も、涙なしでは語れない制作裏話
――今回のスタイルブックでは、モデルのあのさんやDJの脇さんとのコラボレーションも楽しそうでしたね。
まあたそ:あのちゃんは、うちのブランドの服を作るときに「絶対あのちゃんに似合う」っていうのが絶対出てくる人だったんですよ。だから絶対にあのちゃんに頼もうって。そこから「もう1人は男の子を」ってなったときに、うちのブランドって“とらわれない”っていうのがコンセプトだから脇くんがぴったりって思いました。
――「とらわれない」というコンセプトを聞くと、改めて先程の益若さんのイズムを感じますね。
まあたそ:そう! だから、つーちゃんはうちのファンのことを「孫」って呼んでくれているんですよ。つーちゃんの考えを個性を持った形で遺伝したのがうちで、そのうちからいいところを取ってそれぞれの個性を受け継いだのがファンのみんなだから。「じゃあ、まあたそのファンの子は、私の孫だ」って。ああ、もう、すごい素敵!
――この本の中では、まあたそさんの私物もたくさん紹介されていますし、撮影のカット数も相当多いなと思ったのですが、期間としてはどのくらいで制作されたんですか?
まあたそ:最初から最後まで1カ月くらいだったんじゃないかな。楽しくてアドレナリン出てるからあっという間なんだけど、よくよく考えたら怒涛の日々でした。この私服のやつも、うちの家からダンボールに詰めて持ち出したんですけど、その作業がもう大変で。クローゼットから重たい服たちを下ろして、詰めて……って何箱も何箱も。本当に泣きながらやってましたもん。で、この撮影は全部1日でやりました。
――えーっ!?
まあたそ:やばくないですか(笑)? もう撮って「はい着替えて!」、撮って「はい着替えて!」って感じで。だから、よく見ると決めてるカットに見えるけど「何をしてるんだろう……うちは今どこにいるんだろう……わからん……」の顔してるやつとかありますからね(笑)。それくらい目まぐるしすぎて。やっぱりYouTubeをしているので、いろんなスケジュールの関係上、この1日でやるしかないみたいな感じになったんです。
――それで、サブチャンネルで上がったナイトルーティン動画のようになるわけですね。労働時間14時間って書いてあって、「好きなことで生きていく」のも楽なことではないんだと思わされました(笑)。
まあたそ:そうそうそうそう(爆笑)! いや、好きなことで生きているんですけど、やっぱり人間なので疲れはしますからね。あれも何かの撮影の後で……もう何か覚えてないですけど(笑)。でも、楽しいから一つひとつ乗り越えられるんですよね。
――このスタイルブックの撮影で、特に楽しかったというページはありますか?
まあたそ:このコスプレのページも面白かったですし……あ、この表紙に使われてるギラギラした背景のところ。これ、新宿にある実際のお店を貸してもらって撮ったんですよ。すごく映えるところで、コンセプトにも沿っているし、本当に良いところ見つけてくれたなって嬉しかったですね。あと、ストリートファッションの歴史のおさらいページは、うちも知らない世代のお話が多くて。「本当にこの格好してた人がいたの? 嘘でしょ? これでデートとか行ったの?」って戸惑いがすごくて。年上のスタッフさんも「あったよ、こんな時代あった!」とか言いながら撮ってました(笑)。でも、きっといつかうちのファッションも「こんな格好で男といい雰囲気になったの?」とか言われるようになるんだろうなって(笑)。その時代にはその時代の良さがあって、面白いですよね。みんな好きなファッションを楽しむのが一番ですよね。
――変遷が見られて興味深かったです。その流れで男装をされているページもありましたよね?
まあたそ:あったあった!「これでいいのか? 合ってるのか?」って思いながら撮影したんですよ。自分の姿もおかしいし、でも笑っちゃいけないしで、どんな情緒でカメラの前にいればいいかわからなくなって。本当に笑いが止まらなくて、スタッフのみなさんも爆笑していて、涙流しながら撮った1枚! でも不安を乗り越えて「いや、これで合っています!」という強い意志でできた本ですね、これは。強行突破。言い換えるのなら。『ストリート沼』サブタイトル「強行突破」(笑)。
――準備でも涙を流して、撮影でも笑い泣きしたんですね。
まあたそ:そうです。でも、うちも大人をたくさん泣かせました、多分。デザインにかなり細かいところまで調整させてもらったんで。フォント一つとっても「ここは、もっとゲームっぽいやつで」とか「この背景にはもっとノイズのような模様を入れてください」とか。本当に締め切りのギリギリまで何度もチェックして、最初に上がってきたデザインとは全然違うものに最終的になったので。苦労させているなとは思ったんですけど、せっかく出させてもらうんだったら納得のいくものにしたかったんですよね。うちだけじゃなくて裏の作ってくれた人、みんな泣いたと思います。もう、本当スペシャルサンクスです。
――YouTube好きとしては、仲のいいクリエイターのみなさんから届いたプロフィール帳も見ていて楽しかったです。
まあたそ:実はうち、みんなが書いてくれてること知らなくて。「まあたそさんにとってこの人はどんな人ですか?」って言われて何文字以内ってなってたから、かなり軽く「切っても切れない親友」ってノリで書いてたんですけど。「確認お願いします」って見たときにみんなの見て「え? めっちゃ長文!」って。そこで読んで、涙流しながら「そんなこと思ってくれてたんだ~(涙)」ってまた泣きました。
――なかでも一番グッときた方はいらっしゃいましたか?
まあたそ:(古川)優香ちゃんとふくれなは、割と会ったときからいろいろと熱い話をするので「納得、ありがとう」みたいな感じなんだけど、青ラブ(青春☆しゅわしゅわクラブ)メンバーとかいつもふざけてばっかりなのに、長文で「大好きです」とか書かれてて恥ずかしいじゃんって(照)。なんか家族に言われているみたいな、「キモ!……でもうれしい」みたいな感じですね。