【東海オンエア・コンビ分析】第六回 虫眼鏡&りょう 常識人たちが2人きりの際に見せる顔

 りょうはグループにおいて高身長イケメンキャラで、その言動も実に紳士的。唯一の弱点と見られていた画力も、いまや大きな魅力に。また多忙を極めるYouTuberと会社員との両立をしていたこともあり、その苦労を表に出さない粋な男前っぷりで多くの視聴者を魅了した好感度の高い人物だ。他のYouTuberとのコミュニケーションも上手に取っておりコラボの際には、気持ちのいい窓口っぷりを披露している。

 一方、虫眼鏡はもともと小学校教師という異例のキャリアの持ち主であることから、常識人枠として東海オンエアを俯瞰している、いわばブレーンとも呼べるポジション。ときには、キレのある毒舌で動画をピリッと締めることも。虫眼鏡の個人チャンネル『虫眼鏡の放送部』のラジオ動画内で「主にマイナス面だけど視聴者が言ってきそうなことを先に言う」と発言していたことから、意図的にバランサーとしての役割に徹しているようだ。

 外交的な見え方を良くするりょうと、嫌われ役を買ってでも内側から整える虫眼鏡。この2人が作り出す目には見えない「ここまでハメを外してOK」という領域が、東海オンエアを自由にしているとも言えそうだ。そんなしっかり者と常識人のりょうと虫眼鏡が、2人きりになるとまた別の顔を見せるから興味深い。

 りょうはいつもよりもわんぱく感が増し、虫眼鏡は丸くなるように感じるのだ。普段からお互いの立ち回りを見ているからこその信頼があるのだろう。その安心感は見ている視聴者としても同じだ。

 『46道府県旅行の旅!』シリーズでは、2人で香川と岡山へと出かけていた2人。香川ではオープンカーの似合うりょうと運転に手こずる虫眼鏡という対比が、“わかっている”展開を見せてくれた。また、岡山ではりょうがほろ酔いになるという珍しい展開になったのも、旅の相手が虫眼鏡だからのように見えた。

「全国46道府県!旅行の旅』香川県編!
【46道府県旅行の旅!岡山県編】〜倉敷の美酒とマイティ・ソーを添えて〜

 また、りょうの細かな気配りが、虫眼鏡の労をねぎらうこともあった。今年3月、虫眼鏡が早朝に出演しない企画の撮影に向かってしまったことがあった。「僕は要らない子でした」とTwitterでつぶやくと、りょうが「虫さんの顔見れてテンション上がったよ」とリプライしていたのだ。

 また、虫眼鏡も個人チャンネルのラジオ動画で「りょうのカッコ良さは顔だけじゃないのだ」とタイトルをつけ、身長の高さや顔の小ささなどイケメンと言われる要素はあるけれど、それだけではなく人の心をつかむうまさや言うことを嫌な気持ちにさせずに言うところを「すごく尊敬してカッコいい。あれは勝てない」と話していた。

#55 りょうのカッコ良さは顔だけじゃないのだ

 自分の苦労を誰か1人が見ていてくれるだけで、当たり前ではないとわかってくれることが励みになることもある。表面的だけではない部分を知ってくれる人がいるだけで頑張れる。りょうと虫眼鏡はそんなふうにお互いを認め合う関係性なのだろう。グループ内のクレバーな立ち回りから、2人だからこそ見せる顔。その振れ幅にも注目しながら、ぜひまた新しく撮影が始まった東海オンエアの動画を楽しんでいこうではないか。

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