喉頭がんを患った米俳優、AI技術で再び自分の声を取り戻す

声を失った米俳優、AI技術で元の声を生成

 『トップガン』や『ドアーズ』など、数多くの人気作に出演する米俳優、ヴァル・キルマー。現在61歳の彼は、数年前に喉頭がんの手術を受けて以来、以前のように声を出すことが難しくなっていた。

 そんな中、声のクローンを作成する英国のソフトウェア会社、Sonantic(ソナンティック)と研究、開発を進め、再び自身の声で会話ができるようになった。ヴァルの音声を生成するにあたって、過去の音声データや映像データを利用したようだ。

 そして8月初旬、ソナンティックがYouTubeに公開した短い動画の中で、ヴァルはAIによって生成された音声を披露した。

 動画の中で、「喉頭がんによって、僕の声は奪われてしまった。周りの人々は、僕が話していることを理解するのに苦労している。それでも、僕は以前と変わらずまったく同じ人間だ。まだクリエイティブな心をもっている」と述べ、「今再び、自分自身を表現することができる。みんなに夢を届けられる」と語った。

 

 動画のコメント欄には、「ヴァルの声をもう一度聞けるなんて本当に素晴らしい」、「彼の話を聞いて泣きそうになった」といったファンの声が相次いだ。

 また声明の中で、「コミュニケーションは僕ら人間にとって非常に重要なことだが、咽頭がんの副作用で、人々が僕を理解することが難しくなっていた。本当の声で話ができるなんて、信じられないほど特別な贈り物だ」とし、「想像もしなかった方法で私の声を再現してくれたソナンティックのチームに感謝している」と述べた。

 今後この技術がより広く普及すれば、同じ境遇の人々にとって大きな希望となることだろう。

(画像=Amazon Studiosより)

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://people.com/movies/val-kilmer-gets-his-voice-back-after-throat-cancer-battle-using-ai-technology-hear-the-results/

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