スカイピースが「炎上を覚悟してまで伝えたかったこと」とは? 解散を想定した動画の真意を読み解く

スカイピースが解散ドッキリで伝えたかった事

  YouTuberのスカイピースが7月15日、自身のYouTubeYoutubeチャンネルにて”【解散】スカイピースを5年間愛してくれてありがとう”という「解散を匂わせる」タイトルで、約2時間にもわたる収録済みの動画をプレミア公開した。

 結論から言ってしまえば、この動画は解散を発表するものではなく、もしスカイピースが解散したらという内容だった。しかし、動画の終盤までその設定が明らかにされていないため、騙されたようだと批判するコメントと、感動したと評価するコメントが多く投稿され、賛否が分かれる動画となっている。

 スカイピースは動画内で「炎上するリスクがあることを承知の上で、”終わりは突然くるものだから、大切なものを失う前に行動してほしい”ということを伝えたくて、今回の動画を投稿した」と語っている。応援していたバンドやグループが何の前触れもなく解散し、もっとライブに行っておけばよかったと後悔した経験がある人もいるのではないだろうか。このように、失ってから気づくことは大きい。

 スカイピースの2人が「これまでも急に終わりがくることはたくさんあった」と、感情的に話している姿から、何か大切なものや人を失い、後悔した経験があったのではないかと考える。動画内で発信したメッセージは、視聴者だけではなく、彼ら自身に向けたものでもあるかもしれない。言葉や動画が刺さったというコメントがいくつかあり、スカイピースの伝えたかった想いを受け取った人もいるようだ。

 炎上を覚悟しての動画投稿だったが、その後もチャンネル登録者数が増えているのは、彼らが応援され続けている証拠だろう。2人は、今回の動画を制作するにあたって、本気でスカイピースが解散したらどうなるのかを考えたり、時間を作って改めて過去に投稿した動画を振り返ってみたりしたという。さらに、「結果として解散は嘘になりますが、メンバーみんなの気持ちや流した涙に嘘はありません」と動画内で話している。

 動画には、2人の出会いやスカイピース結成を話しながら振り返るシーン、夢だった横浜アリーナでお互いに向けて書いた手紙を読み、感謝の気持ちを伝え合い涙を流しているシーンがある。今回の動画を含め、日頃からお互いを大切に思い、誠実な活動を行っていることが視聴者に伝わっているからこそ応援され続けているのだろうし、今回の動画を作ったことで、2人やスタッフの絆はいっそう深まったに違いない。

[【解散】スカイピースを5年間愛してくれてありがとう]

 過去にもコラボ相手や相方にドッキリを仕掛けることはあったが、そのほとんどはエンタテインメントとして楽しめるものが多く、視聴者からのコメントも穏やかだ。また、スカイピースの動画は30分以内のものが多いのにも関わらず、今回の動画は約2時間と普段より気合が入っていることがわかる。このことから、今回のドッキリはよく動画を視聴しているファンがみても信じてしまうくらい、普段の動画とは違う真剣な空気が動画内に流れていたように思う。

 今回の動画の概要欄には、”僕たちスカイピースはみんなの感情を動かすきっかけを一つでも多く作ることができたらなと思い常日頃活動をしています”と書いている。今回の動画も、感情を動かすきっかけの一つを作ろうと投稿されたものであるようだ。しかし、この動画で伝えたかった”終わりは突然くるものだから、大切なものを失う前に行動してほしい”という言葉には、スカイピースから視聴者への重要なメッセージがこめられていたということだろう。今後も視聴者の感情を動かすきっかけを作る動画を通して、YouTubeを盛り上げてくれると期待している。

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