ヤバT「ハッピーウェディング前ソング」はなぜYouTubeで愛される? “踊ってみた”から本人公認までを振り返る

 人気バンド・ヤバイTシャツ屋さん(ヤバT)が2017年にリリースした「ハッピーウェディング前ソング」が、YouTube上で愛され続けている。“踊ってみた”動画が爆発的に流行し、先日も人気YouTuber・水溜りボンドによる、姉妹曲「ハッピー毎日投稿終了前ソング」が2週間で900万再生を突破、同じく、愛らしいルックスで人気のかすと、スカイピース・テオくんによる“踊ってみた”動画が1週間で300万再生を突破。その人気は止まることを知らず、関連動画の総再生回数は1億回を超えるという。本稿では、そんな通称“ハピ前ソ”の魅力とYouTubeで愛されている要因をまとめたい。

「ハッピーウェディング前ソング」とは?

ヤバイTシャツ屋さん – 「ハッピーウェディング前ソング」Music Video

 あらためて「ハッピーウェディング前ソング」は、2016年にデビューした大阪発のスリーピースロックバンド“ヤバイTシャツ屋さん”による2017年リリース楽曲。『パイナップルせんぱい』と名付けられたシングルEPに収録された1曲である。雰囲気の良い男女友達を、ヤバTが関西弁で「キッス!キッス!」と囃し立て、<ノリで入籍してみたらええやん>と、本当にノリだけで男女を結婚まで持っていこうとする、コミカルな内容だ。一方で、バンドの実力を感じさせるメロコア/ロックサウンドが音楽ファンからも高く評価されており、リリース時にYouTubeのオフィシャルチャンネルで公開されたMVは、現在3000万再生目前。その人気の一端を担っているのが、YouTuberによる“踊ってみた”動画の投稿であることは外せない事実である。

“オリジナル振り付け”が誕生

【踊ってみた】ハッピーウェディング前ソング / ヤバイTシャツ屋さん (オリジナル振付)

 2018年12月、現在は活動を休止している男女踊り手ユニット・パオパオチャンネルが自身のYouTubeチャンネルで、オリジナル振り付けを披露。楽曲のキャッチーさに、本家ヤバTのMVロケ地で撮影するというこだわりと、覚えやすくも一緒に踊ってみたくなるような振り付けのクオリティの高さが相まって、人気に火がついた。

 現在は後述のように、公式に原曲の動画使用が許可されているが、この動画では、著作権への配慮から、東海オンエア・しばゆーと、あやなんによる夫婦YouTuber・しばなんの歌唱音源が使用されている。キャラが立ったYouTuber夫婦が<ノリで入籍してみたらええやん>と歌うことによって、楽曲に“説得力”と“オモシロさ”という、要素が加えられたことも、拡散された要因になったかもしれない。いずれにしても、この動画でYouTubeにおける楽曲の地名度は一気に上がり、その後、様々なYouTuberが続々と“踊ってみた”動画を投稿することとなる。

コラボを盛り上げる定番ソングに

ハッピーウェディング前ソングを夫婦で踊ってみた/辻希美featuring杉浦太陽

 前述のパオパオチャンネルが、皆にも踊ってもらえるようにと、反転動画も投稿。それがさらにダンスの覚えやすさを後押しし、辻希美と杉浦太陽によるリアル夫婦が入籍12年を記念して二人で踊ってみたり、高学歴YouTuberのはなおと、理系女子YouTuberであるゆきりぬがコラボする形で仲間たちと踊ってみたりと、実際のカップル・夫婦だけでなく、友人、仲間など、さまざまな関係の二人が踊れる、幅広い人気を獲得していくことに。

 そのなかで、例えばタレントでYouTuberのてんちむと、金持ちYouTuberのヒカルは、自身の歌唱と、教会内でドレスとタキシードを着て撮影するなど、それぞれのクリエイターが個性を発揮。原曲の持つハッピーさも相まって、何かを記念した節目の際に投稿されるなど、“踊ってみた”という古くはニコニコ動画から派生する定番企画と、YouTuberによるカバー、YouTuber同士がスペシャルなコラボを見せるという、盛り上がる要素が重なり合ったキラーコンテンツとなったのである。

YouTubeの祭典でも使用される人気ぶり

 毎年YouTube上で行われ、その年の人気動画クリエイターたちが多数出演するYouTubeの祭典『YouTube FanFest』(以下、YTFF)。年末に催されるその祭典では、その年にヒットした動画やクリエイターたちにスポットが当たるのだが、2019年に催されたYTFFのラストでは、「ハッピーウェディング前ソング」が特集された。前述したはなおとゆきりぬ、スカイピースの☆イニ☆とまあたそ、えむれななど多数のYouTuberたちがパオパオチャンネルによる振り付けで“踊ってみた”を披露し、そのステージを締めくくった。

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