バンクシー作品がNFTとなってオークションに出品? “本人には無許可”疑惑で弁護士が警鐘鳴らす
英国のストリートアーティスト、バンクシーの作品が、NFT(※)となりオークションに出品されることになった。
(※)NFT…Non-Fungible Tokens=代替不可能なトークンとは、ブロックチェーンテクノロジーによって確立されたデジタル資産のこと
オークションは、スタートアップのNFTプラットフォーム、Valuart(ヴァルアート)で行われる。NFTの元となる作品は、バンクシーが10年以上前にパレスチナで発見した石のかけらに、「SPIKE」の文字を記したもの。現在は、ヴァルアートの共同創設者で、世界的なオペラ歌手でもあるヴィットリオ・グリゴーロ氏が所有している。
これをCG化したものをNFTとして販売し、収益の50%を慈善団体に寄付する計画のようだ。同社は、「ヴァルアートの目的は、これまでに作成された価値あるアートワークを再考し、今日のコレクターに創造的な歴史の一部を取得する機会を与えることだ」としている。
ところがこのオークションに警鐘を鳴らす人がいる。米メディア『HYPEBEAST』によると、米国の知的財産権に詳しい弁護士、ジェフ・グルック氏は「バンクシーがNFTの出品を認めていない場合、これは違法である可能性がある。アート作品のNFTを作成する権利は、所有者ではなく、作成者である著作権所有者(今回のケースではバンクシー)が保有している。バンクシーの名前が宣伝に使われているのもグレーだ」と述べているという。
予定通りにいけば、7月22日の22時22分(中央ヨーロッパ夏時間)に販売がスタートするが、無事出品されるのだろうか。そしてその場合いくらの値がつけられるのか。動向を見守りたい。
(画像=Valuartより)
■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。
〈Source〉
https://valuart.com/
https://hypebeast.com/2021/7/banksy-valuart-spike-nft-auction