『ドラ恋 ~KISS or kiss~』11話ーーキスシーンの“アドリブ”で気持ちに変化……やすがとった驚きの「作戦」に注目

『ドラ恋  ~KISS or kiss~』11話

 キスシーン本番前、「ドキドキしてる?」と聞くやすに、ののかは「役に入ってるから」とさりげなくかわし全て笑いの方向に持っていこうとする。変にやすに期待を抱かせぬように、そしてモニターの向こう側にいるわくに誤解させぬように、自分の気持ちも乱さぬように、ののかが一定の距離感を取ろうとしているのが伝わってきた。

 肩透かしをくらってばかりのやすは、どうしても埋まらぬ距離がもどかしく、そしてこのままでは真っ向から取り合ってもらえないと思ったのか、ののかがいない隙に監督へ自分が考えてきた「アドリブの台詞を盛り込みたい」と交渉に行く。このアドリブこそが今後の展開を大きく揺るがすキーポイントとなる……。

 本作では、女優になるために上京する女性と彼女を見送る幼なじみの男性の恋物語が描かれ、互いに素直になれない中「お芝居の練習」として交わし合うキスシーンが待ち受ける。最後はののか演じる女性が「やす、演技全然上手くないじゃん」と言う台詞で終わるのはずだが、やすが盛り込んだのはその後の「だって演技じゃねーもん」という必死の想いだった。

 やすの切なる思いが台詞に乗って伝えられた瞬間、ののかの瞳の奥で瞳孔が確かに開いた。そこから2人は再びキスを交わす。澤田先生が評価していた通り、やすの演技力が一気に磨きがかかっている上、相手がののかということもあり、様々な要因が相乗効果となった最高のシーンが完成していた。

 撮影終了後、ののかは放心状態で、魔法にかかったかのようだ。「キスシーンを演じたくらいで想いは変わらないと思ってたけど、台本にない台詞を言われたからなのか混乱している。今、好きな人を聞かれてもすぐにわくとは答えられない」と気持ちの変化を隠し切れない。

 次週は最終話を迎え、女性が意中の男性にアドリブで自身の想いを伝えるという、彼らが紡ぐ“最後のオリジナルドラマ作品”が描かれる。最後の最後に作戦勝ちのやすとわくの間で揺れるののかの決断も、本気でやすのことが好きでその失恋から立ち直れていないみやびの決断も、ケイスケを巡るアユリとりおんの三角関係も気になることしかない。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好き。Twitter:https://twitter.com/Tominokoji

■番組概要
『恋愛ドラマな恋がしたい ~KISS or kiss~』
配信日時:毎週土曜夜11時~
配信チャンネル:ABEMA SPECIALチャンネル
配信URL:https://abema.tv/video/title/90-1510

(C)AbemaTV

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