ニコニコ動画とFlash終了の歴史ーーFLV・SWFからMP4への転換期と、未だ残るFlash形式の謎に迫る

ニコニコ動画とFlash終了の歴史

 ドワンゴは6月14日、自社サービス・ニコニコのニコニコ動画にて、2018年から行ってきた古い動画のMP4変換が完了したと発表。変換できなかったものについては、22日に削除するとした(対象となる動画の000.1%)。

 現在の配信サイトやSNSにおいて、ユーザーがアップロードした様々なファイル形式の動画は、MP4に変換されるのが主流となっている。今回の発表における古い動画とは、FLV、SWF、デバイスによっては視聴できないMP4といったファイル形式であった。

 ニコニコ動画でもMP4で統一すべく、今日に至ったということになる。デバイスによっては視聴できないMP4というのは、動画を出力する際、コーデックの規格が当時のものだったりで、それらを刷新したということになるだろう。

「クラフトボス『flash back memories』3分39秒 宮崎吐夢 サントリー」。当時は一世を風靡していたものの、Flashの話は非常にややこしく、この事例も氷山の一角でしかなかった。

 そしてFLVとSWFは、ともにFlashのファイル形式である。2020年はFlashが終了するとあって、昨年末はサントリーがゼロ年代前半、“Flash黄金時代”とも呼ばれた時期を回顧する動画『Flash Back Memories』をYouTubeで公開するなどの話題もあった。

 Flashに関してはファイル形式のほか、制作ソフトや再生環境などでも名称が同一であったため何の話をしているのか非常に分かりにくく、ややこしくなりがちだった。本件においては、主に再生環境に関するものとして話を進めていく。

SWFファイルもアップロードできたニコニコムービーメーカー

『魔理沙は大変なものを盗んでいきました Ver.swf』。ニコニコムービーメーカーからSWFをアップロード。SWFの場合、再生を停止しても一部の素材が動いていた。現在はMP4に変換。

 動画の公開先としては、ゼロ年代前半が個人サイトや匿名掲示板などであったのに対し、ゼロ年代後半から配信サイトやSNSなどに移ったのは周知の通り。“Flash黄金時代”が過ぎ去った一方、Flashは再生環境として最盛期を迎えていた。

 YouTubeやニコニコ動画も、当時は再生にFlash Playerが必要だった。ニコニコ動画ではボカロ(ボーカロイド)、東方(東方Project)、アイマス(アイドルマスター)が“御三家”と呼ばれていたのを思い出すユーザーも多いのではないだろうか。

『Dot Catch – ニコニコ動画にFlashゲームを』。こちらもニコニコムービーメーカーからアップロード。SWFにはインタラクティブ要素も実装できた。現在は何も反応しない。

 東方Projectでは、カギが制作した『魔理沙は大変なものを盗んでいきました』などが人気を博した。『魔理沙~』の人気は無断転載の動画から始まったが、後に楽曲を制作するIOSYSやカギ自身もアップロードした。

 配信サイトには、Flash形式のファイルはFLVはともかく、SWFではアップロードできなかった。そのためFlash Playerが必要な再生環境でありながら、SWFが不可であることに不満を募らせているユーザーも少なからずいた。

『ニコニコ動画を崩壊させるスイッチを作ったが・・・』。同じくニコニコムービーメーカーからアップロード。SWFを外部のJavaScriptと連携させていた。こちらも現在は反応しない。

 なお2008年に登場したニコニコムービーメーカーでは、ニコニコ動画にSWFでもアップロードできた。カギ自身が同年にアップロードした『魔理沙~』も、このニコニコムービーメーカーを経由したSWFファイルであった(現在はMP4に変換)。

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