Twitterが有料サービスを連発する理由とは? 新機能「Super Follows」「チケット制スペース」のテスト運用スタート

Twitter、新機能のテスト運用開始

 Twitter社は、以前に発表していた有料サービスのテスト運用を開始した。同社は、今年前半に矢継ぎ早に有料サービスをリリースしている。こうした動向の理由を探ると、コロナ禍特有の問題が浮かび上がってくる。

5万ドルまでは手数料3%

 テック系メディア『The Verge』は22日、「Super Follows」と「チケット制スペース」のテスト運用を開始したことを報じた。アメリカでは、Twitter社が選抜した一部のユーザが新サービスを使える。

 Super Followsとは、今年2月下旬に発表された有料サービスである。Twitterユーザは、課金することによって特定のユーザが配信する特別コンテンツを楽しめる(詳細は後述)。チケット制スペースとは先月発表されたTwitter版Clubhouseとも言える音声SNS「Spaces」の新機能で、ユーザが音声で交流するルームに参加する際に有料のチケットを購入するシステムだ(Spaceの詳細についてはこちらの記事を参照)。チケット代は、ルームのホストが1ドルから999ドルの範囲で決められる。どちらの機能も、多数のフォロワーを抱えるTwitterユーザが同アプリでの活動によって収益を得られるようにするものだ。

 今回のテスト運用では、以上の新機能を利用する際に徴収されるプラットフォーム手数料が格安に設定されている。具体的には、以上のふたつのテスト機能から得られた売上が5万ドル(約550万円)未満の場合、手数料は3%である。5万ドルを超えた場合は、手数料は20%に増える。20%という手数料は、AppleがApp Storeの手数料として設定する15%(収益が100万ドルを超えると30%)と比較しても、常識の範囲内と言える。

 なお、Super FollowsはiOS版Twitterでのみ利用可能だが、チケット制スペースはiOS版とAndroid版の両方で使える。チケット制スペースに関しては、日本でも「収益を得る」から利用開始できる。ただし、参加資格が設けられており、「フォロワー1,000人以上」「過去30日間にスペースを3件以上ホスト」「18歳以上」という条件をクリアしなければならない。

特別コンテンツが楽しめる「Super follows」

 前述のように、Twitterの新機能Super Followsは特定のユーザに対して課金することによって、特別コンテンツを入手できるものだ。特別コンテンツとしては、ボーナスツイート、ニュースレターの購読、サポーターを表すバッジなどが挙げられる。

 Super Followsの課金額は、2.99ドル、4.99ドル、9.99ドルの3種類が用意されている。課金額が複数設定されているので、課金額に応じて特別コンテンツの内容を変えることもできるだろう。

 Super Followsと同時にCommunitiesと呼ばれる新機能も発表された(下の画像参照)。この機能は、フォロワーをグループ分けできるものだ。この機能を使えば、フォロワーをそれぞれの嗜好にもとづいてグループ分けして、グループごとに異なったツイートができる。Super FollowsとCommunitiesを組み合わせれば、例えば「課金額9.99ドルでサポーターバッジを購入しているフォロワー」のような細かな分類が可能となる。

 Super FollowsとCommunitiesは、Twitterを使ったマーケティングを促進する目的で実装されたと見て間違いないだろう。そして、マーケティングの過程で発生した課金の一部が、Twitter社の新たな収入源となるのだ。

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