FacebookとSpotifyが音声SNSをリリース Clubhouseはテキストチャット機能を実装か?
Clubhouseの登場以降、注目される音声SNS市場にまた大手テック系企業が参入する。参入するのはSNS最大手の企業と、音楽ストリーミングサービスの大手企業だ。一方のClubhouseは、新機軸となるかも知れない機能をテストしているようだ。
リスナー数は制限なし。募金も可能
Facebookは21日、同社の音声SNS「Live Audio Rooms」をアメリカでリリースした。同サービスを簡単に言えば、Facebook版Clubhouseなのだが、Clubhouseと異なる特徴も多数ある。そうした特徴の要点をまとめると、以下のようになる。
・ライブ音声コンテンツが視聴できるルームを立ち上げられるのは、法人向けサービス「Facebookページ」を運営している法人と一部のFacebookグループ。
・ルームのホストは、最大50人までのスピーカーを招待できる。リスナー数に制限はない。
・iOS版およびAndroid版Facebookアプリのユーザは、ニュースフィードに通知されるルームからリスナーとして参加できる。視聴中に友だちやフォロワーがルームに参加すると、通知が上がる。
・リスナーはキャプション(字幕)を有効にしたり、「手を挙げる」を実行して会話に参加したりできる。
・リスナーは視聴中にスターを購入して、ホストに送信できる。スターを送信したリスナーは、「Front Row(最前列)」に表示される(下の画像参照)。
FacebookはLive Audio Roomsを開始するにあたり、多数のクリエイターとルームを運営する業務提携を締結した。そうしたクリエイターには、グラミー賞にノミネートされた経験のあるTOKiMONSTA、プロアメフト選手のRussell Wilsonなどが名を連ねている。
Live Audio Roomsが日本を含めた世界に展開される計画は、現時点では不明だ。しかし、Facebookは今年後半から「Soundbites」と命名された短い時間の音声コンテンツに関する事業を本格化する予定を明らかにしている。
クリエイターの収益化を支援
音楽ストリーミングサービス大手のSpotifyも16日、音声SNSアプリ「Greenroom」を日本を含めた135の国と地域でリリースした(以下の画像参照)。同サービスはiOSとAndroidで利用できる。
Greenroomは、Spotifyが今年3月に買収したBettyLabsが運営していたアプリ「Locker Room」をリブランディングしたものだ(BettyLabs買収の詳細については、こちらの記事を参照)。Greenroomの特徴を要約すると、以下のようになる。
・すべてのSpotifyユーザはルームにリスナーとして参加でき、またルームを立ち上げられる。
・ルームで視聴中に録音機能を利用できる。
・ルームのホストは、快適な視聴体験を提供できるようにチャットコントロール機能を使える。
Spotifyは、Greenroomコンテンツを制作するクリエイターがコンテンツから収益を得られるように支援することを目的として、ファンドを立ち上げる。ファンドに関する詳細は、ファンド公式ページから確認できる。もっとも気になる支援金だが、Greenroomコンテンツの消費量と視聴者数に応じて支払われる。ただし、クリエイターファンドに参加できるのは、当面のあいだはアメリカ居住者に限られる。同ファンドは、今年後半から本格運用される。