ゲーム業界を席巻するバトルロイヤル旋風 勃興から台頭までの歴史から予測する「数年後の未来」

ゲーム業界を席巻するバトルロイヤル旋風

 バトルロイヤルゲームの台頭が止まらない。

 「オンラインマルチプレイ」や「競技性」がトレンドタイトルの必須要素となりつつある昨今、これらと相性のいいバトルロイヤルは時流にうまく乗り、たった数年でサブジャンルとしての地位を確立するまでに至った。当初シューティングから勃興した同分野は、他のさまざまなジャンルをも巻き込み、現在もなお、広がりを見せようとしている。

 バトルロイヤルがここまでたどり着くまでには、いくつかの同分野を代表するタイトルの誕生と流行があった。本稿では、“バトルロイヤルのターニングポイント”を彩った、数々の人気タイトルたちを振り返っていく。

人気TPSタイトルの誕生が勃興の起点に

フォートナイト チャプター2 – シーズン7 インベージョン ストーリートレーラー

 バトルロイヤル台頭の分岐点へとフォーカスするならば、シューティングアクションのジャンルから生まれた同分野の人気タイトルについて、まず触れておかなければならない。2010年代後半まではほぼ無名だったバトルロイヤルが、数年でトレンド化し、一時代を築いた背景には、2017年にリリースされた3つのタイトルの存在がある。『Fortnite(フォートナイト)』『荒野行動』『PlayerUnknown’s Battlegrounds(PUBG)』だ。

 もちろんこれらのリリース以前にも、オンライン経由で他のプレイヤーと対戦するシューティングアクションはあったが、その多くは、「2チームに分かれて戦うこと」「(倒されると)リスポーンすること」などの特徴を持っていた。そうしたゲーム性が言わば“ジャンルの前提”として存在するなかで、上述の3タイトルは、「自分(もしくは自チームの数人) vs それ以外」「倒れればドロップアウト」といった“バトルロイヤルの根幹”を確立。誕生と流行が同分野勃興の礎となった。台頭の分岐点を振り返るとき、これら3タイトルの存在に触れないわけにはいかないだろう。

「エーペックスレジェンズ – 英雄の軌跡」ゲームプレイトレーラー

 当初TPSから人気に火がついたバトルロイヤルだが、近年主要タイトルはFPSへと移り変わりつつある。2020年代前半においては『Apex Legends』や『Call of Duty』シリーズ、『Battlefield』シリーズなどがキープレイヤーを担っていくはずだ。うち2つは奇しくも、同分野が台頭する以前までシューティングアクションのジャンルを牽引してきたシリーズである。こうした勢力図のなかにも、バトルロイヤルの勢いを感じられるのではないだろうか。

傍流ジャンルの草分け『TETRIS 99』が破壊したバトルロイヤルの垣根

 2019年2月には、パズルのジャンルからもバトルロイヤルの性質を持ったタイトルが登場した。Nintendo Switchにて配信された『TETRIS 99』だ。

TETRIS99のキホン1

 同タイトルは、定番の人気パズルゲーム『テトリス』を99人でオンライン対戦し、最後の1人までの生き残りを目指すもの。画面上には自分以外の98人の状況も表示されており、プレイヤーはラインを消すことで他者を妨害できる。それまで定番だったシューティングアクション・バトルロイヤルのように、「1つのマップや、そこに存在するアイテムを共有する」といった“物理的同期”をおこなわず、“時間的同期”のみでゲームが進行する特徴を持っている。『TETRIS 99』が確立したこのシステムは、2020年10月に『スーパーマリオ』シリーズ35周年企画として配信された『SUPER MARIO BROS. 35』にも踏襲された。

 今日のバトルロイヤルのトレンドのなかで、同分野のシステムをいかに(シューティングアクション以外の)“傍流ジャンル”へと取り入れるのか。その点において、『TETRIS 99』が残した功績は大きかったと言える。

バトルロイヤルを殺伐とした世界から脱却させた『Fall Guys』の存在

「他のプレイヤーを蹴落としてNo.1を勝ち取る」という性質上、どうしても殺伐としやすいバトルロイヤル。最近ではそのような常識を覆す、異色のタイトルも生まれている。2020年8月に配信された『Fall Guys: Ultimate Knockout(フォールガイズ)』である。

Fall Guys: Ultimate Knockout

 同タイトルは、多種多様なステージのなかで60人のプレイヤーが生き残りを争うアクションゲームだ。「他者を蹴落としてNo.1を勝ち取る」というバトルロイヤルの根本的な性質は変わらないが、キャラの愛くるしい見た目、コミカルな動き、シンプルでドタバタ感のあるルールなどから、特有の殺伐とした雰囲気をマイルドにしている。

 本来的な性質から、男性がメインユーザーになりがちなバトルロイヤルだが、『Fall Guys』はこうしたポップなゲームデザインを採用することで、より幅広いプレイヤーへと訴求するタイトルとなった。同分野の歴史を振り返っても、これほどまでに年齢・性別を問わず愛された作品はなかっただろう。

「銃火器を使った生き死にを争う競技性だけがバトルロイヤルの魅力ではない」

『Fall Guys』のトレンド化からは、同分野のポテンシャルの高さを感じられた。

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