連載:ゴールデンボンバー歌広場淳の「続・格ゲーマーは死ななきゃ安い」
歌広場淳、人気配信者への道! Mildom運営に聞く「ゲーム配信で視聴者を魅了するポイント」
大のゲームフリークとして知られ、ゲーマーからの信頼も厚いゴールデンボンバー・歌広場淳による連載「続・格ゲーマーは死ななきゃ安い」。今回は特別編として、歌広場がチャンネルを開設し、精力的にゲーム配信を行なっている配信プラットフォーム「Mildom」の運営担当者との対談を収録する。お相手は、Mildomを展開する株式会社DouYu Japanで広報を担当する津名浩介氏と、配信者サポートを担当する安達勇太氏。ライブ配信プラットフォームとしての特徴から、人気配信者になるためのポイントまで、歌広場淳が気になる質問を投げかける!(編集部)
キーワードは“コミュニケーション”
歌広場淳(以下、歌広場):昨年末から本格的にMildomでライブ配信を始めました。僕が好きな有名格闘ゲーマーの多くがチャンネルを持っていますし、「なんとなくすごいらしい」ということはわかっていたのですが、実はどんな特徴のあるプラットフォームなのか、よく理解できていなくて。一人前の配信者になるためにも、「そもそもMildomって何なの?」というところからお話を伺いたいです!
津名浩介(以下、津名):「Mildom」は2019年にスタートしたライブ配信プラットフォームです。Webやアプリで視聴が可能となっています。特徴としては、高い開発力とエンジニア技術を投入しているため、高画質・低遅延の配信が可能で、特にゲーム配信においてはそれが大きな強みになっています。また、運営自体は日本で行なっているため、オリジナル番組も多いですし、ゲームに特化した配信プラットフォームとして、ゲームの大会や公式イベントも日々開催して盛り上がっています。
また、配信者/視聴者に体験を共有していただき、活発なコミュニティを形成することをミッションとしているので、配信者と視聴者が相互にコミュニケーションを取れる機能にも力を入れています。ユーザー数はおかげさまで右肩上がりで、ゲームに特化した配信プラットフォームとしては日本で最大規模となっており、特に若い男性に多く利用いただいています。
歌広場:なるほど、Mildomとは何なのか、ということを説明するときに困ることがあったのですが、「『ゲーム』の『ライブ配信』を見るならここだよ」と教えてあげればいいんですね。
津名:そうですね。動画やライブ配信というと、どうしてもYouTubeさんを思い浮かべる方が多いと思いますし、我々としてもこれからさらに頑張って認知度を上げていかなければ、と考えているところです。
歌広場:まだサービスが開始して2年ですもんね。僕からしても、最近で周りのゲーマーから急にMildomの名前を聞くようになった、という印象があります。
安達勇太(以下、安達):そうですね。格ゲー系のプロ選手、有名配信者の方々が多くチャンネルを持たれていて、日々盛り上がっています。
歌広場:「ゴールデンボンバー・歌広場淳」のファンの方々と、ゲーム好きやゲーム配信を見る習慣のある方々というのは必ずしも重ならなくて、どうやったら配信を見にきてもらえるか、ということを日々考えているのですが、運営の立場から見て、何かポイントはありますか?
安達:われわれが大事だと思っているのは、やはり相互のコミュニケーションです。視聴者さんの何気ないコメントも、スマートフォンの画面やキーボードを打ち、わざわざ書き込んでくれたもので、そこにリアクションがなければ寂しい思いをしてしまう。人気配信者になると、コメントも多く一気に流れていってしまいますが、それでも可能な限り丁寧に拾っている方が多く、そうすると、何かのきっかけで新たに配信を見にきてくれた人をファン化し、結果として視聴者数を増やすことにつながっています。
配信における“ライブ”と“打ち上げ”の関係
歌広場:僕も以前から、「ゲームはコミュニケーションツールであって、大事なのはゲームを通じた人と人とのコミュニケーションなんだ」と言ってきましたが、配信においてもそういう感覚は重要なのかもしれませんね。
津名:そうですね。コミュニケーションについて一つ例外があるとすれば、例えば歌広場さんが「おじリーグ」(※格闘ゲームシーンの“おじさんプレイヤー”がしのぎを削る人気イベント)に出場されて、実際にプレイされているときは当然、視聴者さんとのコミュニケーションは取れませんし、無理に取る必要もないかと思います。視聴者さんと直接お話をしていると、試合の場面においては「見守る」ことを楽しんでいて、配信者へのギフトも大会中ではなく、終わった後に「おつかれさま」という意味で送ると。そこまで含めてすべてがコミュニケーションだということですね。
歌広場:なるほど、「ライブ」と「打ち上げ」の関係に近いですね! ゲームの試合=ライブももちろん大事だけれど、視聴者さんとの打ち上げをセッティングして盛り上げられる配信者が、心をつかむと。
津名:プロゲーマーの方々についても言えることですが、試合でカッコいい姿を見せるだけでなく、その振り返りを含めたコミュニケーションのなかで視聴者さんとの距離を縮めて、ファンを増やしていくというか。
歌広場:そこで「ギフト」も重要なツールになると思うのですが、僕はこの機能をカットしてもらっています。ギフト機能はきっと、視聴者さんにとっても大切なツールだし、Mildomさんにとってもプラットフォームを維持する大切な収入源になっていると思うので、いつも申し訳なく感じていて。ただ一方で、全体の視聴者さんは若い男性が多いというお話もあったなかで、僕の視聴者さんは90%が女性なんですよ。つまり新しいお客さんを呼んでこられる、ということは、僕が公認配信者として胸を張ってもいい部分なのかなと思いました。
安達:おっしゃる通りですね。実際、歌広場さんの視聴者さんが他の配信に移っているケースもかなりあって。
歌広場:それはレイド機能(※自分の配信を見ている視聴者に他の配信を紹介し、そのまま移動させることができる機能)の賜物ですね。
安達:レイドは配信者がファンをシェアするきっかけを作り、視聴者さんにとっても新しい配信者と出会って楽しみを広げることができるいい機能で、例えば、格闘ゲーマーの配信に歌広場さんがレイドされたとき、そこで楽しいコミュニケーションが生まれている様子を見たことがあります。そうしてコミュニティが広がっていくのは、素晴らしいことですね。
歌広場:配信を始めた当初、うまくレイド機能が使えなくて、口頭で格闘ゲーマーの配信を「面白いよ!」と紹介するだけになってしまったことがあったんです。つまり、自動的にその配信に視聴者さんを送り届けることができなかったんですが、そうすると、みんな「しょうがない、“徒歩”で行くか」と、手動で配信を見にいってくれて(笑)。こうやって配信者同士、そのファン同士がつながる文化があるのは、Mildomならではの面白いところですね。「こんな面白いバンドがいるんだよ~」とビラ配りをしていたら、その場でライブが始まるみたいな感覚で、「それは足を止めちゃうよね」と思います。