「普通であること」に悩むすべての人たちへ 大関れいかに聞く“そのままであること”の大切さ

大関れいかが語る“等身大”

 高校生時代に動画共有プラットフォーム・Vineで大ブレイクを果たし、現在に至るまで“インフルエンサー”のパイオニア的存在としてリスペクトを集めているクリエイター/タレントの大関れいか。社会もカルチャーも、大きな変化を余儀なくされている2021年、そんな彼女が上梓した初のエッセイのタイトルが、『すべてにおいて全人類平均型の私だけど最高に幸せ』(KADOKAWA)だった。

 身近な存在感はありながら、インフルエンサーは同世代の多くの人々にとって憧れの存在だ。そのトップランナーと言える大関れいかが「全人類平均型」と自称する意味は小さくない。ありのままの自分を認め、日常を楽しく生きること――そんな簡単なようで難しいことを、彼女は等身大の言葉で伝えている。

 インフルエンサーとしてはベテランの域だが、まだ24歳。成熟した考え方を持ちながら、いまも変化の途上にある大関れいかに、じっくり話を聞いた。(編集部)

「そのままでいいんだよ」ということを伝えたい

――大関さんはいまのカルチャーにはなくてはならない“インフルエンサー”の草分け的存在で、まだ24歳という若さに驚いてしまいます。今年に入って発売された初のエッセイ『すべてにおいて全人類平均型の私だけど最高に幸せ』が話題になっており、このタイミングで半生を本にまとめようと考えた理由から聞かせてください。

大関れいか(以下、大関):KADOKAWAさんからお話をいただいて、ぜひ!ということでスタートしました。周りのインフルエンサーの子たちも本を出すことが増えていて、自分もエッセイを書いてみたい、という気持ちはあったので、お話をいただいたときはとてもうれしかったですね。

――ファンにとっても待望の一冊でしたが、実際に本を出してみてどんな感覚がありますか。

大関:SNSのダイレクトメッセージでも感想をたくさんいただいて、みんな読んでくれているんだ、とうれしく思っています。あとは、地元の本屋さんに並んでいるのを見てよろこんでいたのですが、それより、次の日に見に行って本がなくなっていたとき、本当に手に取ってもらえているんだ、ということを実感しました(笑)。

――実際に読ませていただいて、学生生活から恋愛、お仕事まで、さまざまな悩みに応えている面があり、ファンならずとも、ライフステージに応じて共感できるエピソードが詰まっていると感じました。どんな人に読んでもらいたいと考えましたか?

大関:私のファンには「普通であること」に悩みを抱えている子も多くて、そういう人たちに「そのままでいいんだよ」ということを伝えたいと思いました。いまの自分に思うことがある人、日常がつまらないと思っている人たちに、少しでも自信を持ってもらい、元気になってもらえればと。

――そうした核になるメッセージは、『すべてにおいて全人類平均型の私だけど最高に幸せ』というタイトルに集約されていますね。

大関:そうなんです。私もこのタイトルが出てきたときにすごくいいと思って、気に入っています(笑)。

頭が痛くなるくらい、「感謝を忘れるな」と言われ続けてきた

――20代前半という若さで、過去を振り返る目線がとても成熟しているという印象も受けました。早くからお仕事をされていたことも影響しているかもしれませんが、過去の経験を整理して、前向きに昇華することができるのはなぜでしょう?

大関:家族や友人にとても恵まれていて、周りの人たちおかげだと思います。私は繊細だと言われることが多くて、小さいことを気にしすぎてしまうことがあるのですが、みんなが話を聞いて受け止めてくれて、そうやって話しているうちに気持ちが整理されていくというか。アドバイスもたくさんしてくれて、それを実践していくうちに、過去も含めて自分ときちんと向き合うことができるようになったんだと思います。この本を書くなかでも、編集者さんにいろいろとお話をして自分の過去を整理していくような感覚があって。私はもともとおしゃべりですが(笑)、信頼できる人と、素直にじっくりお話をするのは本当に大事なことだと思います。

――周囲の人たちへの感謝の気持ちは、本の中でもさまざまな形で表現されています。自分を正当化してカッコよく見せようとせず、素直に「周りの人たちのおかげ」と言えるのは素敵ですね。

大関:それは両親の影響が大きいと思います。特にお父さんが常識や礼儀に厳しい人で、小さい頃から頭が痛くなるくらい、「感謝を忘れるな」と言われ続けてきたので(笑)。最初は「そんなこと言われなくてもわかってるよ」なんて思っていたのですが、自分が辛い経験をしたり、悩みを抱えてしまったときにずっとそばにいてくれて、本当にありがたいことだな、まだまだ感謝が足りていないな、と実感して。本にも書いているとおり、小学校のころにいじめにあっていて、そのときに家族が支えになってくれたし、自分の土台として、感謝の気持ちは絶対に忘れないようにしようと思っています。

――人だけでなく、大関さんが世に出るきっかけになった「Vine」という動画共有プラットフォームに対しても、「救われた」と感謝の気持ちが綴られています。これからSNSを通じて発信していきたい、インフルエンサーになりたい、と考える人にアドバイスを送るとしたら、どんなものになるでしょうか。

大関:インフルエンサーというのは、見てくれる方、応援してくれる方がいないと成り立たないので、やっぱり感謝の気持ち、楽しんでもらおうという気持ちは忘れないようにしないといけないと思います。楽しんでもらうために一番大事なのは、まずは自分が楽しむこと。そのクリエイターが本当に楽しんでいるか、それとも惰性でやっていたり、単に仕事だからやっているのかは、見ている人に伝わると思うんです。その人が本当に楽しいと思っていることを伝えられると、自分がそこまで興味がないことでもワクワクしますよね。なので、見ている人の気持ちをしっかり考えるのと同時に、自分の気持ちも大切にして、楽しさを共有していくことが大事なのかなって。

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