東北在住の英国人が、教師を辞めて世界的YouTuberになるまでの話
スポンサーを断れるのはPatreonのおかげ
YouTuberというと、いわゆる企業案件でマネタイズしている、という印象があるかもしれませんが、私は過去8年間のYouTuber活動で、スポンサーの仕事はあまり多く受けていません。それは、どうしてもやることに制限がかかり、好きなことができないケースが多いからです。
2020年に実際に仕事を受けたのは、先述のJRと、語学学校からのオファーでした。後者については、日本の語学学校がどういう場所で、どんなことを教えているのかを知りたい人がたくさんいることと、その情報が視聴者にとって意味のあるものだと判断したからです。
しかし、こうやって選り好みできるのも、Patreonを通して3000人強の視聴者がパトロンとなり、私を支えてくれているからです。毎月1ドル〜5ドルのサポート費を振り込んでもらい、そのお金で道具を揃えたり、遠方に取材しにいったりできるようになりました。2016年からPatreonのシステムを使わせていただいていますが、パトロンのお陰で「 Abroad in Japan」のレベルが飛躍的にアップしただけでなく、やりたいと思えない仕事を受けずにすんでいます。
YouTuberがチャンネルの趣旨と合わないスポンサーと組んだことで、キャリアを棒に振ってしまったケースを見てきました。商品を売り込むようなことをすると、その商品について正直に話しづらくなってしまいます。Patreonはチャンネルのあり方を守りるためにも、欠かすことができません。
そして現在、新たなドキュメンタリー企画とプロジェクトが進行中です。今は1ヶ月に2〜3本(最近頑張っています!笑)のペースで動画を作っていますが、新作を求める声は毎日のように届いています。私は量より質を重じているので、どうしても更新頻度は低くなってしまいますが、視聴者には期待して待っていてほしいです。
■Chris Broad(クリス・ブロード)
30歳、イギリス出身。YouTubeチャンネル「Abroad in Japan」を運営。登録者数250万人。日本を拠点に活動するトップ外国人YouTubeクリエーターとして200以上の動画を制作。東北地方太平洋沖地震に関するドキュメンタリーや、L’Arc-en-Cielのボーカルとして世界中にファンを持つHYDEのソロ活動密着動画など動画のジャンルは多岐にわたり、訪日インバウンド集客から実行まで行うTokyo Creativeと共に、日本各地の自治体や企業向けのコンテンツも制作している。2012年にALTとしてJETプログラムに参加し、英語教師として2,000時間以上を費やした後にフルタイムの動画クリエーターへ。夢はプロのフィルムメーカーになり、チョコレートでできた家を建てること。