『今日好き 卒業編2021』第4話ーー「男らしいところに、ビビッときた」よしきの一途さに揺れるあやの心

『今日好き 卒業編2021』第4話レビュー

 そんなよしきはフラストレーションを溜めながらも、決してけいしに意地悪をしたいわけではないらしい(そもそも仲も悪くなさそうだ)。けいしが『秋月編』であやのを“フった”過去もあり、自分から積極的にアプローチがしにくい悩みを打ち明けると、「あやのちゃんからすると絶対にうれしいと思う」と、彼女の声を代弁する場面も。ただ、最後には「“なんでフってるのにきたのかな?”って思う」と、決して譲りはしないのだが。


 極め付けは、けいしの「あやのちゃんのこと本気?」という質問に、「うん。けいしみたいに2択じゃないから」と、挑発的に返した場面。これにはけいしも耐えかねてか、むすっとした表情を隠せない。すると、あやのの少々困った雰囲気を察してか、よしきから提案が。その内容は、男子2名であやのと2人きりでのパラセーリングをする権利を懸けたゲーム。彼女が海にボールを投げて、それを先に手にした方が勝ちというシンプルなものだ。

 あやのが海にボールを投げた数秒後、「負けたー!」という絶叫が浜辺に響き渡る。服を着て髪までびしょ濡れにしながら、渾身のクロールで闘争心を燃やした男子2名。それでも、一途な想いが火事場の馬鹿力になったか。念願叶い、よしきが見事に勝者となった!

 その後、よしきとあやのは大空にテイクオフ。よしきは陸の方を見ながら「けいしー! オレの方が好きだからー!」との一吠えに続けて、あやのが怖がってパラセーリングから手を離せないことを心配し、何も言わずに静かに手を繋いでみせる。よしきが今できる、最大限のアピールだ。

 “豹変”とまでは言わないが、『秋月編』の頃から急に男らしいガッツを見せ、肉食系な一面を前面に見せているよしき。これがリベンジの旅だからこそなせる技だ。そんな彼のギャップに“やられた”あやのは、「初めて男らしいところを見たから、ビビッときた」「揺らぐ、揺らいだ、マジで揺らいだ」と、動揺しっぱなし。さらに攻撃の手を緩めず、よしきは「あやのちゃんをもっと笑顔にできたらいいなって思うから。幸せにできたらいいなって思うから。もっと大事にする」と熱く約束。これは恋ではなく、もはや愛。そんな彼を前に「は〜」と大きく息を吐きながら、その発言までイケメンなところをしっかりと噛み締めるあやのだった。

 いよいよ、よしきに巻き返されたけいし。その後のあやのとの2ショットでは、彼女をフった過去があるからこそ、迷っている感情を含めて、自身のキモチを正直に明かしたかったと、3日目までの自身の言動について説明。この旅での再会を経て「今回はマジで選択を間違えたくない」と、あやのにも真剣に向き合う決意を示したほか、彼女の誘いで夕食時には隣同士で座ることを約束した。

 夕食時、海中デート組が食事を始めている会場に離島デートを終えた3人が到着すると、空いていたのはテーブルの両端にそれぞれ2席と1席。先ほどの約束では、あやのはけいしの隣に座るはずなのだが、彼が2席ある方向に一緒に来ない上に「あっち座りな」とさらりと一言。それでも、あやのは折れずに「一緒に座ろう」と、けいしの隣を確保。だが、けいしはすぐにまりからの2ショットに“連行”され、あやのが勇気を出した意味もなくなってしまった。

 もう、いつ何が起きてもおかしくない『卒業編2021』。運命の告白を翌日に控えて、よしきとけいしの“バチバチ”な関係はどう決着するのか。最後の大詰めが肝心である。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

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