物申す系YouTuberシバター、“株価高騰”の裏にあったRIZIN参戦への緻密なストーリー

 巧妙にYouTubeでストーリーを展開し、勝利という最高の結果を得たことで、これまで地を這うようにネットで活動してきた物申す系YouTuber・シバターの株価高騰が止まらない。

 シバターは昨年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された格闘技の祭典『Yogibo presents RIZIN.26』のリングに上がり、元K―1ファイターのキックボクサー・HIROYAと対戦した。大善戦を繰り広げた結果、判定はドロー。しかしその後覆り、腕十字による一本勝ちを収めるというまさかの大金星を挙げたのだった。

 驚くべきはその反響だ。RIZINの公式チャンネル「RIZIN FIGHTING FEDERATION」には「RIZIN.26」で行われた全試合のフル映像が投稿されているのだが、シバターvsHIROYA戦の再生回数は427万回(1月7日時点)。これは、朝倉未来、朝倉海、那須川天心の試合の再生回数よりも高い、全カード中トップの数字だ。また、シバターのチャンネル「PROWRESTLING SHIBATAR ZZ」の登録者数はここ数日で5万人ほど増加。勝利が確定した直後に投稿された「勝ちました」と題した動画は、166万回再生(1月7日時点)をマークしている。

Full Fight | HIROYA vs. シバター / HIROYA vs. Shibatar - RIZIN.26

 さらに、今回の一戦に関係した人物のYouTube動画も好調だ。たとえば、試合当日、てんちむ、ヘラヘラ三銃士とともにシバターのセコンドについた“金持ちYouTuber”ヒカルは1月2日、「【RIZIN26】いきなりシバターに格闘技の試合で勝てば1000万のファイトマネー出すと言ってみた結果…」と題した動画を公開した。

【RIZIN26】いきなりシバターに格闘技の試合で勝てば1000万のファイトマネー出すと言ってみた結果…

 本動画で、試合に勝利した祝い金として1000万円を渡そうとするヒカル。しかし、シバターは「タダじゃもらえないから、1000万円で2人で企画をやりましょうよ」と提案した。盟友の快挙にポンと気前よく大金を出すヒカルと、その厚意を汲みつつ、両者ともに得があるよう仕向けるシバター。それぞれの粋な振る舞いに称賛の声が集まった。

 また、判定結果を巡ってYouTubeで繰り広げられたシバターとHIROYAの“プロレス”も秀逸だった。HIROYAが試合後のインタビューで「自分はタップしていない」と言えば、シバターは1月4日に公開した「HIROYAを救いたい」と題した動画で、「HIROYA、お前、どうしちゃったんだよ」と語り掛け、最終的に「俺とパチンコで対決しないか?」と提案した。やらかした著名人をフィーチャーし、持論を展開した上でパチンココラボを仕掛けるのは、シバターの十八番だ。

 この提案に対してHIROYAは1月5日、動画でアンサー。自分の負けを素直に認めたうえで、シバターの“再戦要求”を受け入れた。その潔さ、懐の深さを称賛する声は多く、10万以上の「いいね」を獲得した。

 ここまでバズを起こせたのは、YouTuberが現役格闘家に勝利するという意外性もさることながら、シバターが「RIZIN」参戦に向けて緻密なストーリーをYouTube上で披露してきたからに他ならない。実際、大みそかまでの数日間、シバターのチャンネルは神がかっていた。

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