『The Elder Scrolls』シリーズがNetflixドラマに? 定番化する“ゲームの配信映像作品化”の背景とは

定番化する“ゲームの配信映像作品化”の背景

 映像コンテンツとゲームは、古くから因縁浅からぬ関係にある。ゲームの人気ジャンルであるRPGは、世界観やストーリーの演出に映画のエッセンスを取り入れることで大きく発展した。その一方でゲームの映画化は過去に何度も試みられているものも、失敗事例も少なくない。こうしたなか、映像コンテンツ制作の新たな旗手とも言えるあの企業が、新展開をもたらそうとしている。

『Fallout』シリーズはAmazonでドラマ化?

 エンタメ系メディア『WE GOT THIS COVERD』は28日、NetflixがRPGシリーズ『The Elder Scrolls』をテーマとしたドラマに取り組んでいるという噂を報じた。その噂によれば、同シリーズのドラマ化にあたっては、Netflixオリジナルドラマ『ウィッチャー』と同程度の規模になる構想があるようだ。

 『The Elder Scrolls』シリーズは1994年に第1作が発売され、現在ではRPGの主流のひとつとなったオープンワールド形式を採用し、この形式の先駆作となった。シリーズ5作とオンラインゲーム、そして外伝から構成された同シリーズにはさまざまな架空の書物が登場し、そのテキスト量は膨大である。例えば、第4作『Oblivion』に収録された書物のテキストデータ量は10MBを超える。

 もっとも、以上の噂は28日時点で『WE GOT THIS COVERD』しか報じておらず、その信憑性は高いとは言えない。しかしながら、こうした噂がささやかれること自体、Netflixに大作RPGシリーズをドラマ化して欲しいという潜在的なニーズがあることを明らかにしている。

 ちなみに『The Elder Scrolls』シリーズの開発に関わっているBethesda Softworksが手がける人気RPGシリーズ『Fallout』のドラマ化は、Amazonが取り組んでいる。エンタメ系メディア『THE HOLLYWOOD REPORTER』が7月に報じたところによると、ドラマシリーズ『ウエストワールド』の制作陣が関わっている、とのこと。

『ウィッチャー』という成功事例

 前述のような噂が流れる背景には、Netflixがオリジナルドラマ『ウィッチャー』での大きな成功が指摘できる。同ドラマは、ポーランドの小説家アンドレイ・サプコフスキ原作の小説を実写化したものだ。エンタメ系メディア『FRONTROW』が今年1月に報じたところによると、2019年12月に配信された同ドラマは当時としては「Netflix史上最も視聴されたシーズン1」となった。

 『ウィッチャー』は、実のところ、Netflixがドラマ化する以前にゲーム化されたことで世界的なコンテンツとなっていた。ゲーム化3作目にあたる『The Witcher 3: Wild Hunt』はドラマが配信された直後から人気が再燃した、とゲームメディア『電ファミニコゲーマー』は伝えている。同ゲームとドラマは同じストーリーを共有しているわけではないが、Netflixはゲーム関連コンテンツで大きな実績を作ったのだ。

 なお、『ウィッチャー』シーズン2は鋭意制作中であり、2021年の配信が期待されている。さらにはドラマの前日譚にあたる実写ドラマと主人公ゲラルトの師に焦点を当てたアニメの制作も決定している。

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