『Discord』爆発的成長の影に『Among Us』効果 その背景を改めて考える
やるべきことに集中する、『Among Us』側の割り切ったスタンス
現在も『Among Us』では特にボイスチャット機能を追加する予定はなく、開発者は新たなマップの開発と、悪質なプレイヤーへの対策の強化、そして日本語を含む多言語対応を次の目標として掲げている(参考:https://innersloth.itch.io/among-us/devlog/192737/small-patch-and-small-roadmap)。その動きからは、『Discord』で既に需要を満たしているのだから、もっとやるべきことに集中しようという、開発者側の割り切ったスタンスが感じられる。
元々、突然の爆発的ヒットによって想定を遥かに超えるサーバへの負担が生じたことで、9月時点では開発者側が連日の対応に追われて働き詰めとなってしまい、休息が必要だと本音を漏らす場面があった。近年、ゲーム業界における労働環境の問題が深刻化している中、このような無駄を省く姿勢は(少なくとも一人のユーザとしては)正しい在り方なのではないかと感じている。
Finally, I have been working 12+ hour days for a week now, and I'll probably work a little today too. But I need a break. I hate that I need a break during the busiest weekend ever, but you will have to expect some issues this weekend so I can fix them for next weekend.
— Forest (@forte_bass) September 5, 2020
『Among Us』は結果として2020年を代表するゲームとなり、先日発表されたGolden Joystick AwardsではBreakthrough Awardsを授賞し、The Game AwardsではBest Mobile GameとBest Multiplayerの2部門にノミネートされている。ゲームを超えて様々な場所に現れたキュートなキャラクターたちは、今夏を席巻した『Fall Guys』のゼリービーンズたちと並んで、色々と大変だったこの一年に束の間の癒やしを与えてくれる存在となった。年末に向けて、より多くの実況者が集まってプレイできる本作は、この日本でも様々なコラボレーションの場として年末に向けてさらに盛り上がっていくだろう。また、前述の通り、もし一緒に遊ぶフレンドが十分にいないという場合でも、本作のコミュニティは多く存在しており、新規プレイヤーを歓迎する場所も沢山ある。そして、どちらの場合も『Discord』は引き続き、その力強い手助けとなるはずだ。
■ノイ村
海外のポップ/ダンスミュージックを中心に愛聴。普段は一般企業に勤めているが、SNSやブログにおけるシーン全体を俯瞰する視点などが評価され、2019年よりライターとしての活動を開始。
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