ヒロシ、ロンブーから石橋貴明まで……お笑い芸人の「キャンプ動画」はなぜ人気?
コロナ禍で自粛生活を続けた我慢の反動として、また、「三密」を回避できる屋外の代表的アクティビティとして、キャンプが今ブームになっている。
とんねるずの石橋貴明が11月26日に「貴ちゃんとキャンプ~地獄の九十九里編~」、12月2日に「貴ちゃんとキャンプ~オラキオが死んだ編~」と題した動画を投稿した。
ディレクターのマッコイ斉藤に連れられて秋のキャンプ地へやってきた石橋が、バス釣りに興じたり、バーベキューを楽しんだりする本動画。表題に「キャンプ」と銘打たれてはいるものの、キャンプ用品や食材などがあらかじめ用意されていて、石橋が身一つ手ぶらで現地に来ていたことを踏まえると、キャンプ初心者向けの「グランピング」に近い内容となっていた。
石橋のようなビギナーからその道の熟練者まで、キャンプ系の動画を投稿しているお笑い芸人は多い。影響力のある彼らの配信活動がブームを後押ししている側面も少なからずあるだろう。
キャンプブーム、とりわけ、ソロキャンプブームの火付け役として知られるのがヒロシだ。12月1日に発表された年末恒例の「2020ユーキャン新語・流行語大賞」で、トップテンに年間大賞の「3密」などと並んで「ソロキャンプ」がランクインしたことは記憶に新しい。
同賞の表彰式に登壇したことで名実ともに“ソロキャンの伝道師”としての地位を確固たるものにしたヒロシが、かねてからの趣味を行うYouTubeチャンネルを立ち上げたのは2015年のこと。ヒロシの動画は、余計なBGMやテロップを足さず、芸能人なのに自分の顔を積極的に映さない。その代わりに、火をおこし、肉を焼き、暖をとるといったキャンプにまつわる作業をしている手元を映し、環境音をそのまま聞かせる。このネイキッドな撮影・編集スタイルが、「ソロキャンプの魅力が伝わる」「ヒロシらしくて良い」などと評判を呼び、着実にファン層を広げ、今年11月14日公開の動画では登録者数100万人突破を報告していた。
ヒロシは『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で2度にわたって行われた「キャンプたのしい芸人」回にいずれも出演している。このくくりトーク回に出演していたじゅんいちダビッドソン、天津・木村卓寛、たけだバーベキュー、バイきんぐの西村瑞樹などは、自身のYouTubeチャンネルでキャンプ動画を積極的に投稿している。
また、とろサーモン・村田秀亮も7月に、キャンプ専門チャンネル「とろサーモン村田のムラTUBE」を立ち上げて、ヒロシや天津・木村をはじめとしたキャンプ好き芸人とのコラボキャンプ動画をいくつか投稿している。
とろサーモンと同期の千鳥・ノブが10月10日、“カジサック”ことキングコング・梶原雄太のYouTubeチャンネルにゲスト出演した際、村田のチャンネルについて「ゆるーくお肉焼いたり、テント立てたりしてるだけ。もちろん、ボケもツッコミもしないんやけど、こっちのほうが幸せな気がしてきて。テレビのスタジオでボケたり、ツッコんだりしてるって人間としておかしいまで考えた(笑)」と話していた。キャンプ動画の本質を突いたコメントといえるだろう。