『BotW』の100年前を描いた『ゼルダ無双 厄災の黙示録』  ”ゼルダらしさ”を継承した一騎当千アクションに注目

『ゼルダ無双 厄災の黙示録』レビュー

一騎当千アクションで魔物を粉砕

 『BotW』の戦闘は主に1vs1の緊張感が表現されていたが、『厄災の黙示録』の戦闘は上述通り複数戦がメイン。この仕様に伴い、プレイアブルキャラクターの戦闘アクションも大幅に変わっている。例えば雑魚敵を相手にする際、まずは通常攻撃で手数を稼ぎ、隙だらけの敵に強攻撃を叩き込んで一気に吹き飛ばす。ダメージを受けた敵は「ウィークポイントゲージ」が減少するため、スマッシュ攻撃でさらなるダメ押しを図る。こうした共通アクションに加え、キャラクターごとに特性の異なる固有アクションを使いこなせれば、さらに豪快な戦いも可能だ。

 戦闘を盛り上げるキーアイテムとして、『BotW』にも登場した「シーカーストーン」も注目ポイント。こちらは戦いをアシストする便利道具で、選択した「シーカーアイテム」に応じて戦場にユニークな変化をもたらす。アイスメーカーは氷柱を作り上げ、リモコンバクダンは自由に起爆できるボムを投擲。金で出来たオブジェクト類を吸い寄せるマグネキャッチに、敵の動きを文字通り止めてしまうビタロック……これら4つのアイテムを使い分けることができれば、戦局のコントロールも容易はなず。

 そして同じシーカーアイテムと言えど、操作中のキャラクターによって性能も違ってくる。中でもシーカーストーンに自前で拡張パーツを装備したゼルダ姫は顕著だ。彼女はシーカーストーンによる攻撃を基本アクションとして扱うだけでなく、範囲内への氷柱落としや爆弾の遠隔操作など、トリッキーな戦法が特徴的。武器によるメレーアクションで立ち回るリンクに比べてプレースタイルが特殊な反面、”モノに出来た時の達成感”はひとしおだろう。個々人の好みを考慮して最適なキャラクターを選ぶことができれば、力を持って魔物を封じる本作の一騎当千アクションがより魅力的に映えるのではないだろうか。

 アクションゲーム『ゼルダ無双 厄災の黙示録』は、Nintendo Switch向けに11月20日より発売中だ。

(メイン画像=https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000028021.htmlより)

■龍田 優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit

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