群雄割拠するクラウドゲーム市場 『GeForce NOW』もSafari経由でiOSサービス開始

群雄割拠するクラウドゲーム市場

AmazonとMicrosoftも

 StadiaのiOS対応を報じたゲームメディア『Polygon』の19日付けの記事では、Amazonが先日発表したクラウドゲームサービスLunaも近くウェブブラウザを経由するiOS対応を提供すると報じている。

 さらにビジネスインサイダーは10月9日、Microsoftのゲーム部門トップのPhilSpencerがMicrosoftのゲームサブスクリプションサービスXbox Game Passを来年にはウェブブラウザ経由でiOSデバイスに提供する、と発言したことを報じた。来年前半には、Microsoftが提供するクラウドゲームサービスProject xCloudがXbox Game Pass Ultimateに統合されるので、このクラウドゲームサービスもウェブブラウザ経由で利用できるようになるかも知れない。

 以上のようにAppleが設けたAppStoreの参入障壁をものともせずに拡大するクラウドゲームサービス市場に関しては、今後大きく成長すると予想されている。調査会社MarketsandMarketsが2019年12月に発表したレポートによると、2019年における同サービスの市場規模は3億600万ドル(約370億円)なのだが、今後は年平均成長率59%で成長して2024年には約31億ドル(約3,200億円)になると予想されている。

 クラウドゲームサービス市場の成長を地域別に見ると、日本を含むアジア太平洋地域がもっとも大きく成長すると見られている(下の画像参照)。この地域の成長が大きく見込まれるのは、5G通信環境の整備が早く進むと考えられるからだ。同市場の日本における成長予測は6月24日に発刊された版『ファミ通ゲーム白書 2020』で報告されており、2023年には2019年と比べて約11倍の140億3,000万円の規模になると予想されている。

 音楽市場と動画市場でストリーミングサービスがメインストリームとなった歴史をふまえると、ゲーム市場でもサブスクリプションもしくはクラウドサービスが大きく成長するのは当然と言える。しかしながら、StadiaやProject xCloudといった注目サービスが日本で正式提供されていない現状を鑑みると、クラウドゲームサービス全盛時代の到来はもう少し先のことになるだろう。

トップ画像出典:NVIDIA「GeForce NOW Streaming Comes to iOS Safari」より画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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