iPhone 12よりもiPhone 12 Proの方が売れ筋? Appleに嬉しい誤算

iPhone 12よりもiPhone 12 Proの方が売れ筋?

 Appleは新型iPhoneシリーズの中で「iPhone 12」が最も売れると予測していたと言われるが、発売されてみると意外にも「iPhone 12 Pro」の方が売れていることが分かった。Appleが見誤ったのには、どの様な背景があるのだろうか。

 『iFixit』公式YouTubeチャンネルは「iPhone 12 Proの分解動画」を公開している。

iPhone 12 Pro Teardown: 5G Comes at a Cost

「iPhone 12 Pro」は23日待ち状態、サプライヤーへの発注も増加

 JP MorganのアナリストSamik Chatterjee氏は、発売から3週間が経過し、全世界で配送までの平均待ち時間は、iPhone 12が約10日、iPhone 12 Proは約23日だと指摘していると『Apple Insider』が伝えている(参考:https://appleinsider.com/articles/20/11/02/iphone-12-pro-demand-outpacing-iphone-12-analyst-says)。

 Chatterjee氏は、iPhone 12 Proの需要はiPhone12を上回っているとしている。

 またAppleのサプライチェーンの収益等のデータは、iPhone 12とiPhone 12 Proともに需要が予想よりもはるかに強いことを示唆しているという(参考:https://appleinsider.com/articles/20/11/06/supply-chain-seeing-stronger-than-expected-iphone-12-holiday-quarter-demand)。

 Morgan StanleyのアナリストであるKaty Huberty氏によると、Qualcomm、Texas Instruments、Qorvo、Cirrus LogicといったAppleのサプライヤーが予想を上回る収益を報告していると指摘。これはサプライチェーンへの発注が多いことを示している。

 Huberty氏は、これらのデータから、2021年に2億2000万台のiPhoneが出荷されるとの予測を立てている。

一番人気は、パシフィックブルー・128GB

 「iPhone 12 Pro」のなかでも特に人気なのは、色がパシフィックブルーでストレージが128GBのものだという(参考:https://appleinsider.com/articles/20/11/06/lead-times-suggest-pacific-blue-iphone-12-pro-models-are-most-popular)。

 「iPhone 12 Pro」の需要はAppleの予想をはるかに上回っており、使用されるLiDARコンポーネントは供給に制約があり、iPad向けだったものを割り当てているという関係者の話を『Nikkei Asian Review』は伝えている(参考:https://asia.nikkei.com/Business/Technology/Apple-aims-to-make-2.5m-MacBooks-with-in-house-CPU-by-early-2021)。

 急場を凌ぐために、四苦八苦するAppleの台所事情がうかがえる。「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」の大きな違いは、LiDARスキャナの有無だ。似たモデル同士ながら「iPhone 12」は85,800円 (税別)で、「iPhone 12 Pro」は106,800円 (税別)と値段にいくぶん開きがある。

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