予約殺到の『Honda e』は「究極の電気自動車」か? 海外メディアが"良い点と悪い点”を指摘

『Honda e』は究極の電気自動車?

 Hondaは同社初となる電気自動車(EV)となる「Honda e」(ホンダ イー)を10月30日に発売する。

 世界初の5スクリーンを水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルを採用し、スマホ接続により音楽やエンターテイメントのアプリを表示できるほか、クラウドAIによる音声認識や情報提供も行う。Hondaが都市型コミューターと提案している通り、コンパクトで小回りが利き、街での短距離走行に適している。

 価格は4,510,000円(税込み)からとなっている。販売計画台数(年間)は1,000台となっているが、すでに注文が殺到しており、予約受付を一時停止している。

日本と欧州で販売、SUVが支配的なアメリカや中国には投入せず

 「Honda e」は、環境先進地域で比較的、街乗りが多いヨーロッパでも販売される。欧州は、街のつくりが古く、馬車が通れる程度の細い道も多いため「Honda e」が重宝される可能性がある。イギリスの公式サイトは、かなり凝ったページとなっている(参考:https://www.honda.co.uk/cars/new/honda-e/overview.html)。

 一方で、他の巨大な自動車市場であるアメリカや中国では、SUVが支配的なため、投入されないという。

 「BMW i3」や「Renault ZOE」よりもコンパクトで、そのため4人分の座席しかなく、リアベンチは大人2人を収容すると『Auto Express』は伝えている(参考:https://www.autoexpress.co.uk/honda/e/100575/new-2020-honda-e-electric-city-car-to-cost-from-26k-in-the-uk)。

 世界初の量産車標準装備となるサイドカメラミラーシステムは、170万画素で、インストルメントパネル左右に配置した6インチモニターに映し出され、雨天時でも鮮明に確認することができる。また通常のミラーよりも空気力学的に効率が90%高いという。また、駐車時の擦り傷の防止にもなる。

小型車で街乗りに特化し他社と差別化、航続距離はTesla Model 3の半分

 多くの自動車メーカーが電気自動車への移行で、セダンとSUVに賭けているため、Hondaは初のフル電気自動車は、小型車の方が良いと判断したと『Automotive News Europe』は報じている(参考:https://europe.autonews.com/latest-launches/honda-goes-small-first-full-electric-car)。

 セダン市場を支配するTeslaの「Model 3」や走行距離の長いSUVに焦点を当てているAudiやHyundai等とは対照的だ。

 バッテリーコストが高いため、EVは自動車市場のプレミアムエンドに限定されている。多くの自動車メーカーは、1回の充電で570 km走行できる、より大型で多目的に利用できるモデルを開発している。

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