バーチャルヒューマンの“起用”は広告のあり方を変える? 貝印×MEMEやGU×Yuの例から考える
バーチャルヒューマンの起用は炎上リスクの回避にも?
そのほかにも、バーチャルヒューマンは活躍の場が広がってきている。
例を挙げると、GUのモデルとしてバーチャルヒューマンのYuが起用されたのは記憶に新しい。
Yuは、ランダムに選出された17歳〜33歳の女性200名の体型データから生まれた。
つまり、標準体型に近いリアルなモデルに自分を投影でき、「モデルの着用画像では自分に似合うかわからない」といったような購入時の不安を削減することにも繋がるのである。
このように、様々なシーンに対応できるバーチャルヒューマンは、多様性を尊重し、個人に寄り添う新しい広告塔として活躍する。
一般的に、リアルな芸能人がセンシティブな発言をすると、炎上につながってしまうことはケースとして多い。
だが、バーチャルヒューマンを入り口にすることで、炎上を避けられ、広告の発するテーマそのものの議論に繋がりやすいのではないかと考える。もちろん、使い所やコピーによっては問題になることもあり、完全に炎上を避けられるわけではないため、今後の課題となっていくだろう。
貝印の広告は、すでにSNSを中心に話題となっており、脱毛・剃毛のあり方についての議論で賑わっている。本広告の掲示が終了しても、脱毛・剃毛の価値観の多様化について度々論じられるだろう。
受け手のリアルに寄り添うバーチャルヒューマンを起用した広告が、購入者の不安を解決したり、世間の認識に一石を投じたりすることで、本来企業が伝えたいメッセージの是非について、人々がフラットな立場から議論を始めることができていくのではないだろうか。
■Yui Nishio
「ゆいにしお」名義でシンガーソングライターとして活動するライター。趣味はサウナ巡り。
<Source>
https://www.wwdjapan.com/articles/1112094
https://xr-hub.com/archives/23005
https://www.gu-global.com/jp/ja/feature/virtual-model-YU/women/pc/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000242.000025105.html