82歳のバーチャルYouTuberが戦争体験を語る 岡崎体育×ヤバT『テンゴちゃん』の革新的な面白さ
岡崎体育とヤバイTシャツ屋さんがMCを務めるNHKの番組『テンゴちゃん〜土曜深夜の辺境レボリューション〜』が月一回のレギュラー番組となり、その第一回目が8月15日に放送された。番組では、“82歳のバーチャルYouTuber”が登場し、まさにキャッチコピーである「レボリューション」を感じさせる放送となった。
『テンゴちゃん』はもともと、今年の5月に放送された一夜限りの特番だった。深夜のファミレスに集まる4人が、世の中をちょっとおもしろくする(はず)の辺境ネタを見届け、雑談をするという生放送。タイトルの『テンゴちゃん』は、2017年3月にスタートしたNHKの『1.5ch』という動画サイトから取ったものだ。同サイトでは、NHKで放送された番組から、独自の視点で選んだ“おいしいシーン”の動画だけを切り取って紹介しており、TwitterやFacebookなどでも拡散していた。
その1.5chの新たなプロジェクトとして、NHKの"はみ出したアイデア"をカタチにしていくのが『テンゴちゃん』なのである。テンゴとは、ある地方では「はみだし者」「いたずら者」という意味で使われているそうで、この番組では世間的にタブー視されているようなテーマにも「空気を読まずに切り込みます」とのことだ。
5月に放送された「たすけて!消滅危機言語プロジェクト」では、消滅危機にある世界の少数言語を救うため、“消滅危機芸人”たちがその言語をコントに取り入れて流行らせようとしたり、「いらんもんde8K」では、世の中のいらないものを8Kで撮影したりと、まさに辺境のネタを扱っていた。映像を観ながら、MCの4人が雑談を繰り広げるのだが、一見くだらないように思える映像の中に、ハッとするような鋭いメッセージが垣間見えてくるのが、この番組の面白いところだった。ゆるさの中に社会派の視点を織り交ぜる番組作りは、まさにNHKの得意とするところで、放送されるやいなや、番組名がSNSのTwitterトレンドで1位になるなど、大きな反響を呼んでいた。