コロナ禍で、アーティストはグッズをどこで・どう売るべきか?

コロナ禍で変わる“グッズ販売”

 最後に挙げたいのがMerchbarだ。Merchbarは、アーティストの公式グッズを取り扱っている世界最大の物販サービスである。SpotifyやYouTubeなどのeコマースプラットフォームと卸業者・流通業者、そしてアーティストの公式ストアを直接連携することで、注文から商品の発送までを管理してくれるシステムだ。現在、世界中で35,000人以上のアーティストがMerchbarを利用しており、総商品数は100万点にものぼる。KhalidやLogic、Harry StylesやBillie Eilishなど名だたるアーティストもこのプラットフォームを利用しており、日本からもグッズを購入することができるが、ドル決済かつ高い送料が掛かり、届くまでに1ヶ月を要するのが難点だ。

 また、現時点ではおそらく日本のアーティストへのサービスの開放を行っていない。しかし、YouTubeでアーティストがビデオ配信と同時にグッズを販売するシステムを昨年から開始したMerchbarは、このシステムをいずれ米国以外の国にも拡大すると宣言しているため、今後の動向をチェックしておけば、新しい波にいち早く乗ることができるかもしれない。

 アパレルブランドと違って、アーティストやミュージシャンは単純にグッズを販売するだけでは本業から逸れてしまう。したがって、ファンの注意を引くにはグッズを販売する経緯・意義が明確であることが問われてくる。YouTuberのように商品紹介をしてもわざとらしいので、できるだけ自分たちの表現の延長線上にグッズ販売を展開していくことが問われるだろう。オンラインライブなどのプラットフォームで自分たちの表現を上手く伝えていけるかどうかが、オンラインでのグッズ販売の鍵となってくるのである。

(画像はPixabayより)

How Merchbar Works
https://www.merchbar.com/artists/partner-with-merchbar#how-to-sign-up

Joining Merchbar
https://www.merchbar.com/artists/faqs/joining-merchbar

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