コロナ禍で、アーティストはグッズをどこで・どう売るべきか?

コロナ禍で変わる“グッズ販売”

 新型コロナウイルスの影響でオフラインでのイベント・ライブが行いにくくなり、各業界で“グッズ販売”の戦略転換が図られている。

 東京ディズニーリゾートは2020年8月4日から10月31日までの期間限定で、年間パスポート保持者を対象に、東京ディスニーリゾート・アプリを利用したパークグッズのオンライン販売を開始。当日の来園者のグッズ分の完売を避けるため、注文受付時間は午前7時から7時45分までの45分間のみといった対策が取られている。また、ジャニーズの各所属グループのグッズは、開催中止になった公演のグッズも含めてジャニーズショップオンラインストア(MERCH MARKET 2020)での販売が行われている。

 現場に行けなくなったファンにとっても、また会社やアーティスト、周りのスタッフへの応援の気持ちを昇華したいファンにとっても、「オンラインでのグッズ販売」は相手とこちらを繋げる重要な架け橋である。

 ここ数年、音楽業界はライブ事業が収益の大きな柱になっていたというのは周知の事実だが、実際、アーティストの規模に関係なく、ライブの企画・実現はとてもコストがかかる。したがって、アーティストや事務所がライブをすることのメリットの一つとして、グッズ販売による収入も少なくない。

 では、オフラインでのイベント・ライブが行えなくなり、オンラインへの転換を誰もが探っている昨今で、グッズを販売するのに適したプラットフォームは何か。

 Instagramにオリジナルグッズ販売機能は存在するが、美容コスメやアパレルブランドに比べて、これまで音楽アーティストがグッズ販売に活用する例は少なかった。しかし、今年の7月9日から、ショッピング機能が利用可能なすべての国で、ミュージシャンやインフルエンサーによるオリジナルグッズ販売機能が追加された。ビジネス、またはクリエイターアカウントを利用しており、グッズは「所有しているウェブドメインから販売すること」が条件だ。他にも、Instagramはライブ配信を収益化する方法を探っていたりと、ポストコロナに対応したシステム作りに力を入れていることが窺える。

 また、レーベルに所属していない個人でも簡単に音源を販売できるサイトでありながら、高いクオリティの楽曲が揃っている世界的音楽マーケットプレイス、bandcampでは、音源だけでなく、レコードやグッズの販売も盛んに行われている。bandcampの特徴は、アーティスト側が提示する最低購入金額より多い額を、購入者が投げ銭感覚で支払うことができるところだ。コロナで生計を立てるのに苦しんでいるお気に入りのアーティストのための支援をすることができるのも、ポストコロナで注目されるシステムの一つである。また、月額10ドルで "Pro"アカウントにグレードアップさせると、アーティストサイドは詳細な統計やドメイン取得などのサービスを受けることもでき、グッズ販売の手助けにもなるだろう。

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