水溜りボンド・トミーが教えてくれた「好き」を発信する覚悟 相方カンタを語る動画を観て

 人気YouTuberコンビ,水溜りボンドの動画が7月31日、急上昇ランク1位になった。『相方(カンタ)について。』と題したその動画は、約80分間トミーが1人で延々とカンタの魅力を語り尽くすもの。

相方(カンタ)について。

 2015年1月から、1日も途切れることなく続いている水溜りボンドの毎日投稿。彼らの動画を日々の楽しみにしている人なら、トミーがカンタの面白さ、真面目さ、勤勉さに惚れ込んでいることは、今さら語らずとも知っている。

 だが、この日、トミーがカメラの前にこれだけ語らなければと思わせる出来事があった。この動画がアップされた7月30日は、カンタのプライベートな情報が世の中に駆け巡った日だったからだ。

 ゴシップ記事では、よく仮名で知人や友人、関係者を語ったコメントを見かける。今回の場合、一番近くにいるのは相方のトミーということになるだろう。ならば、“この80分以上の長尺動画のコメントを、(相方/富永知義)談として出せ。カンタについてのコメントは、このおしゃべりおじさんがいくらでも話してやる“とでも言うように、トミーのトークは止まらない。

 この日は、いつも以上に多くの人が「水溜りボンド カンタ」で検索をすることが予想された。そのなかには「YouTuberなんてろくなもんじゃない」とハナから決めつけてくる人、「何か一言いってやりたい」とアラ探しをしに来る人がいることも、容易に想像できたはずだ。そうした好奇の目にさらされる相方を守るべく、トミーがとった行動は、自ら矢面に立ってポジティブな情報を発信し、ネガティブな声を調和すること。

 そんなトミーの愛情に寓話『北風と太陽』を思い出してしまった。「お騒がせして申し訳ありませんでした」などと自らを戒めるような動画も出せたはず。「プライベートなことを詮索しないでください」と叫ぶ動画を出すことだって。でも水溜りボンドは誰かを責めることではなく、「人間的なカンタをもっと出せるようにしていきたい」と寛容に対応することで、彼らの目的を達成しようとする。

 彼らの目的とは、もちろん彼らが続けてきた、自分たちが面白いことを、それを見てくれた人が楽しい気持ちになるものを、ずっと続けていきたいということ。そのシンプルな願いを前に、揶揄することがよっぽど野暮だという暖かな空気を作ってみせた。

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