本田翼がゲームを開発中ーー過去にはビートたけしやラルクも通った“著名人とゲームの歴史”

著名人がプロデュース・出演した過去のタイトルたち

iOSに移植を果たした不朽の迷作『たけしの挑戦状』

 過去の歴史を振り返ると、著名人がプロデュース・出演したゲームタイトルは多くある。うち、最も有名な作品が1986年、ファミリーコンピュータで発売された『たけしの挑戦状』ではないだろうか。

 同タイトルにはその名前どおり、芸人のビートたけしが監修として携わった。発売から四半世紀近くが経ってもなお、“愛すべきクソゲー”の代名詞として語られるこの作品。約2年後に発売された次作『たけしの戦国風雲児』とあわせ、“ファミコン世代”と呼ばれる年代のフリークなら誰もが知り、プレイした経験のある“迷作”タイトルとなっている。

名作と名高いFCソフト『さんまの名探偵』

 一方で、芸人が出演する作品として有名なのが『さんまの名探偵』だ。1987年、おなじくファミリーコンピュータで発売された同タイトルには、主人公の明石家さんまをはじめ、当時人気だった吉本興業の芸人たちが多数出演した。

 気になる内容は、プレイヤーが探偵・明石家さんまのアシスタントとなり、ゲーム内で起こる殺人事件を捜査するというもの。“愛すべきクソゲー”として有名な『たけし』シリーズに対し、『さんまの名探偵』は“ゲーム史に残る名作”として扱われることが多く、「著名人がプロデュース・出演したタイトル」という枠組みでは、金字塔とも言える作品であるだろう。1999年には同タイトルにインスパイアされ、『ナイナイの迷探偵』という作品がPlayStationでリリースされている。『さんまの名探偵』と同様、当時をときめく芸人が広く起用されたが、残念ながらこちらは凡作の域を出ないタイトルとなってしまった。

 ファミコンの時代が過ぎて以降は、開発費の高騰などから著名人の関わるタイトルが減少しつつある。プロ選手をアイコンとして起用したスポーツゲーム以外では、ロックバンド・L'Arc~en~Cielが出演(ボーカルのhydeはディレクターとして開発にも参加)した『激突トマラルク TOMARUNNER VS L'Arc〜en〜Ciel(2000年・PS)』や、AKB48が出演した数々の恋愛アドベンチャー作品などが主なものだろう。

 芸能人ゲーマーの存在が取り沙汰されやすい昨今。本田翼の挑戦が、下降気味の著名人によるゲーム開発を再興させるか。2021年春、ゲームカルチャーに新たな1ページが刻まれるかもしれない。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

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