狩野英孝のYouTubeチャンネルはなぜバズる? ホラーゲーム実況で切り開いた“裏表ないリアクション芸”の高み
これぞ十八番? アレンジのクセが凄い「弾き語り」
もう一歩押し進んだネタ動画と言えば、独特の歌唱がクセになる弾き語りも見逃せない。”EIKOに向かってGOしたい”という挨拶から始まる弾き語りは、狩野英孝がある種のキャラクター(シンガーソングライター)になりきり、誰もが知っている童謡や合唱曲をカバーする……というもの。チャンネル開設から7ヶ月間にわたって投稿された弾き語り動画は計3本で、そのどれもが個性的な歌い方にフォーカスした内容となっている。
2010年2月に「50TA」名義でアルバムをリリースした経緯をはじめ、アーティストとしての側面も合わせ持ち、またロックバンド「L'Arc~en~Ciel」の大ファンでもある狩野英孝。そんな彼がおくる弾き語りの本質は、何と行っても原曲の大胆なアレンジだ。歌詞の末尾につける”Fly Away”や”in the sky”といったフレーズに、「大きな古時計」の”チクタクチクタク……”をボイスパーカッション風味に演出するアレンジ力。一見シュールに映っているものの、狩野英孝だからこそできる、唯一無二の弾き語りであるのは間違いない。前述の通り楽曲数はまだまだ少なめだが、新作が今後アップされる展開に期待しよう。
■龍田 優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit