だいにぐるーぷが提示する、YouTuberの新たなスタイル 良質な動画を生む“職人的こだわり”に迫る

 近年YouTubeは、芸能人の参入で益々盛り上がりを見せており、動画が視聴者の目に付くことすら難しくなっている。多くの視聴者に動画を見つけてもらうためには、投稿頻度の重要性が大きく、これまで多くの人気YouTuberがコンスタントな投稿を実践してきた。

 そんな中、量より質に圧倒的なこだわりを持ち、多くの視聴者を熱狂させる異質なクリエイター集団がいる。YouTubeに新たなスタイルを提示する「だいにぐるーぷ」の魅力に迫りたい。

 2017年に中学の同級生で結成された、だいにぐるーぷ 。リーダーの岩田、副リーダーの土井谷、飯野、西尾、加藤、須藤の6人で構成されており、チャンネル登録者数は現在約69万人だ。

 初期の頃は、王道のエンタメ動画を投稿していた彼らだが、2018年7月に投稿された「心霊スポット生活で1週間生活してみた。」が多くの人に見られたことをきっかけに、動画の質にこだわるようになった。企画段階から視聴者を楽しませる構成が緻密に練られており、見応えのあるシリーズものを多く展開している。

【1日目】心霊スポットで1週間生活してみた。

 「早慶生と中卒」というキャッチーさを持ち合わせながら、タレント性よりも動画の質に重きを置く彼らの姿勢は、現在のYouTubeの中ではかなり珍しいタイプだろう。

 だいにぐるーぷ を語る上で特に注目したいのが編集技術だ。視聴者を物語に入り込ませるアニメーションや中毒性のあるナレーション、音楽は従来のYouTube動画と一線を画す。まるでテレビやNetflixの映像を観ているかのような印象を受けるが、現在まで編集は中学の同級生であるスタッフ3人を含め基本的にメンバー内で完結しているという。

 投稿頻度が重要なYouTubeにおいて、作成に時間のかかる編集技術を取り入れるのはリスキーともいえるが、それでも現在までに約70万のチャンネル登録者数を獲得している。確かなポテンシャルと、強いこだわりを持つ職人的なスタイルが、視聴者から支持を受けている要因なのかもしれない。

 そんな彼らの名物企画は『1週間生活シリーズ』だ。人気のきっかけとなった心霊系から大規模なドッキリ系など幅広いエンターテインメントを生み出している。

【1日目】男女が心霊スポットで1週間生活してみた。

 心霊企画第2弾として2018年8月に投稿された「男女が心霊スポットで1週間生活してみた。」では、タレント性の高い加藤が、美女コスプレイヤーのニキと心霊スポットで1週間生活することになる。第1弾と異なるのは、恋愛バラエティーの要素が含まれていることだ。ミッション制を導入したことで、2人の関係性は徐々に変化を見せる。恋愛バラエティーではおきまりのインタビュー手法も取り入れており、視聴者が2人の関係性の変化を見守る構図となっているのだ。キャスティングの妙とテンポの良い編集が光るシリーズである。

 爆発的に伸びた第1弾の次作ということで期待されていた状況の中、確かなコンテンツ力を視聴者に示したといえるだろう。

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