『あつ森』オンライン飲み会、仮想イベント……人と人の交流で生まれる“無限大の遊び”

『あつ森』交流で生まれる“無限大の遊び”

 新型コロナウイルスの影響で、友人と気軽に会うことが難しくなった現在、「ZOOM」のようなチャットを使用した「オンライン飲み会」「オンライン帰省」が話題となった。

 『どうぶつの森』シリーズ最新作『あつまれ どうぶつの森』(通称『あつ森』)もまた、そんな人々の「交流の場」として楽しまれている。

親しい友人と『あつ森』でオンライン飲み

 『あつ森』では、自分の島でのんびり生活を楽しむだけでなく、他人と島を行き来して「交流」する要素がある。「Nintendo Switch Online」に加入すれば、インターネットを介して遠く離れた別プレイヤーの島を訪れて、島の滞在中にスマホアプリでボイスチャットをすることも可能だ。

 筆者も親しい友人と『あつ森』を舞台に「オンライン飲み会」を開催した。

 雰囲気を出すために、会場は「ダイナーな〇〇」を熱心に収集していた友人の部屋。あえて派手めな服を身に付けて、クラッカーやタンバリンを持ち寄る。おみやげのアイテムを渡し合って、パーティーの様子を撮影して、食事やスイーツをつつきながら近況を語り合う。

 こちらに来てほしいと声をかければ、ゲーム内のアバターが反応する。面白い話題があれば、アバターも笑ってみせる。

 バーチャルな画面の中にいるのは、いつも通りの気のいい友人たちであった。

 友人とはLINEなどでチャットを日々交わしているし、お互いの島を行き来したこともすでに何度もあった。しかし、「飲み会」という形式を設定して『あつ森』の世界に集まることは、少し違った形で気分を高揚させてくれた。

 「Zoom飲み」ならぬ、「あつ森飲み」。「ビデオを切ったZoomに、個性あふれるアバター、インテリア、写真撮影、そして魚釣り等のゲーム要素まで盛り込んだチャットツール」……と表現してみると、「Zoom飲み」に負けず劣らずの可能性を感じてしまう。

(基本的にボイスチャットで会話しているため、この写真はあえて「オンライン飲み会」っぽい発言をしてみた時の様子)

ゲーム内で仮想イベントを開催する人たち

 そんな友人とのゆるい集まりを超えて、現実世界で行われるはずだったイベントを『あつ森』内で開催する人も増えている。結婚式や卒業式といった王道イベントを開く人は多く、工夫を凝らした配置や演出がSNSで話題となることも。

 芸能人の指原莉乃さんは、ファンと島を行き来し、オンラインで「握手会ごっこ」を楽しんでいる様子を投稿。

 多種多様なイベントの再現を可能にしているのは、多彩な家具や自分でデザインした絵柄を配置できる『あつ森』の自由度の高さ。そして、離れた場所にいる人と同じ時間・空間を共有できるシステムが、この箱庭を「仮想イベント」へと昇華させている。

 こういった投稿を見て、自分も仮想イベントを開催してみたいと考える人も多いだろう。筆者もまた、友人の誕生日や結婚式を、個人的に祝えないかと構想するようになった。

 そして、仮想イベントを行うからには、それらしい会場を作りたい。(前述の「あつ森飲み会」をそれらしく楽しめたのも、インテリアの力が大きいだろう)

 手持ちの家具を配置しただけでは、ちぐはぐな雰囲気になってまう。それらしいテーブルとイスを見つけても、1点ずつでは心もとない。「1日5点まで」というたぬきショッピングの制限の中で、毎日コツコツそろえていく。

 花も、種類も色もバラバラではパッとしない。例えばピンク色をベースにした会場を作るなら、ピンク色のアネモネやチューリップを咲かせるべく、イベントを決行する日まで、花の交配に熱心に取り組むことになる。

 せっかくのハレの日、ゲーム内でも「映え」を意識したい。現実の空間で集まれない分、ゲーム空間の雰囲気を大事にしたい。

 こうして、のんびり無人島ライフに、新たな"目標"が生まれることとなる。

(パーティーらしさを感じた家具を無計画に並べたら、カオスな光景になってしまった)

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