小倉唯、寿美菜子、茜屋日海夏……増加する女性声優YouTuber、“癒し”の注目チャンネルは?

 YouTuberの職業/社会的な地位確立を経て、人気タレントや芸人らも同業界にますます参入している昨今。多分に漏れず、そのトレンドは声優業界にも到来し、花江夏樹のチャンネルが登録者数150万人を突破するなど、確かな実績を打ち出している。

 また、新型コロナウイルスの影響によって外出自粛を余儀なくされる状況下で、アフレコ仕事の中断などもあってだろうか、この春より、新たな“声優YouTuber”が次々にデビューを続けている。以前の記事では、男性声優YouTuberの活動事例をピックアップしたが、本稿では女性声優による“癒し”の観点にフォーカスしながら、いくつかの注目チャンネルを紹介していきたい(参考:人気声優がYouTubeの一大勢力に? 花江夏樹に鈴村健一らしきVTuberもブレイク中)。

 ゴールデンウィーク終了から間もなく、声優ファンの間に衝撃が走る吉報が舞い降りた。2009年7月、ニコニコ動画での初音ミクの“踊ってみた”動画を公開してから苦節11年。あの小倉唯がYouTuberデビューを発表したのだ。彼女のチャンネル「YUI OGURA おぐらゆい ASMR/Beauty」は、開設3週間ですでに登録者数7万4千人を突破する人気ぶり(5月25日現在)。同チャンネルでは、自身の好きなASMRのほか、美容やコスメに関する動画が投稿されるという。

はじめまして【ASMR】野菜スティック・とんかつ 【No Talking/ Just Talking/ Voice】

 記念すべき初作品は、小倉が野菜スティックやとんかつを味わう様子をおよそ10分間にわたり収めたもの。その前半では、黙々と食事を楽しむ様子が映し出され、後半から彼女の囁き声でのナレーションが重なる。自宅でくつろぐ彼女の自然体を見たかったファンにとっては、まさに“消費者が求めていた”本質を貫く癒し映像だったに違いない。また、次の動画ではすっぴん風メイクなどを紹介。その際には、リーズナブルで学生でも手軽に真似しやすい「CANMAKE」のコスメ商品を使用するなど、女性視聴者に寄り添うような内容だった。今後はぜひ、モーニングルーティーンなどを収めた動画も観てみたいものだ。

 今春よりイギリス留学中の寿美菜子は、4月21日に「寿美菜子の〜マジ寿!〜」を開設。その背景には、海外での様々な刺激を受ける毎日を、多くのファンに共有したいという願いがあるとのことだ。実際に5月23日には、イギリスの街の様子がリアルタイムで伝わる映像を公開。ロックダウン発令以降の同国では、国営医療サービスの従事者に向けて、毎週木曜日20時に拍手を届けるという新たな習慣が生まれたという。その光景を目撃して、寿は自身の置かれている環境にますます感謝して生活するようになったと語ってくれた。

寿美菜子です 祝YouTube初投稿!イギリスのお庭から自己紹介

 また、寿の動画全般を通して垣間見えるホストファミリーとのエピソードなどからは、彼女が海外の環境であらゆる事柄に新鮮に驚き、見聞を広げる姿も伺うことができる。このチャンネルを通して視聴者は、ひょっとすると寿が日本に居たころ頃よりも近い距離感から、彼女が声優として以上に、一人の留学生として成長する姿を追いかけることができるのだろう。

【おうち時間】イギリスで生活する声優がリモートでお芝居を収録するとどうなるか?

 ここで、本稿での“変わり種”的なチャンネルとして紹介したいのが、茜屋日海夏(i☆Ris)が4月17日に開設した「ひみちゃんねる」。その詳細を語る前に、まずは彼女が公開している動画より、下記に一部抜粋したタイトルをご覧いただきたい。

・コーラ一気飲みしてゲップしたら即終了のPretender歌ってみた
・アイドル声優の力なら牛乳を振るだけでバターは作れるのか!?
・一分後に控えるインタビュー!茜屋日海夏はメイクを間に合わせることができるのか!?

 彼女の本職は、本当に声優/アイドルなのだろうか? 順に紹介していくと、最初の動画はもうタイトルですべてが物語られているので察してほしい。次の動画はまず、タイトルの時点でパワーワードだ。ここでは念願だったお手製バター作りに挑戦するのだが、なぜか材料から生クリームと食塩をカット。その結末は動画を確認してほしいが、声優はもしかすると、無から塩気を生み出せるなど、錬金術師を超える可能性を秘めているのかもしれない。最後の動画も文字通りの内容なのだが、中盤にはあまりに切羽詰まってか、アイシャドウを片目だけ塗るという強行も。高級ブランド・Dior泣かせな一幕だった。

一分後に控えるインタビュー!茜屋日海夏はメイクを間に合わせることができるのか!?【一分メイク】

 ストレートに笑いを届けてくれるという意味で、自宅生活で欠乏しがちな“癒し”を届けてくれる「ひみちゃんねる」。今後もぜひ「※声優/アイドルです」の注記が欠かせない唯一無二な映像を届けてほしい。

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