スパイダーマンの“乳首とお尻を作った人”が明かす制作秘話
アニメやゲームのキャラクターが、話の流れで裸になることがありますよね。もちろん、乳首やお尻があらわになります。あるべきものがなかったら、話題になってしまいますから。で、絵やモデルである限り、誰かがそのパーツをデザインしているわけです。一体どうやって? どんな人が? 今日は、普段ならあまり気にかけない「キャラクターの秘部」をデザインする人たちのお話を掘り下げてみましょう。
乳首のデザインを真剣に議論
Plygonによると、ある日、ゲーム『スパイダーマン』の背景アーティストのRyan BennoさんがTwitterにこんなことを呟いたそうです。
Video games are great because somewhere right now there are artists in a meeting room debating whether to have a character with nipples, what possible options to explore varying nipple looks, and how out of scope/tone are nipples.
— Ryan Benno (@BryanRenno) February 20, 2020
「ゲーム作りは最高だよ。だって、今この瞬間にも会議室でキャラクターに乳首は必要かどうかを真剣に議論しているんだから。乳首があるとしたら、どんな乳首なのか、乳首の範囲は、色は、そんなことが喧々諤々と語られるんだ」
このスレッドに反応したのが、元InsomniacでキャラクターアーティストだったXavier Coelho-Kostolnyさん。Polygonによると、どうやら彼はスパイダーマンの乳首を作った張本人であり、胸毛の責任者でもあるみたい。
デザインは全てMarvelのアプルーブルを得ている
Coelho-Kostolnyさんによれば、デザインは衣装を含めて全てMarvelからアプルーブルを得る必要があったそうです。そして、スパイダーマンのデザインに関して明確な指針があり、驚くほど詳細なフィードバックが送られてきたのだとか。ただ、ピーター・パーカーの裸体に関してだけはノータッチで、筋肉のディテールや肌の質感、解剖学的構造の詳細は自分で決めることができたと言います。
しかし、ピーター・パーカーの乳首を適切なものにするために、コエルホ・コストルニーはファンバイトに、鏡に映った自分自身を見ることさえ含めて、上半身裸の資料をたくさん使わなければならなかったと話した。Coelho-Kostolny氏はPolygonの取材に対し、Peter Parker氏のパンツについても慎重に考えなければならないと付け加えた。
例えば、下着がスパイダーマンのヒップにどのくらいの高さで乗っているか、ブリーフにしわやフラップがあるかどうかを判断しなければならなかったり。
答えのない秘部のデザイン
乳首やお尻への明確な指示がなかったのは、Marvel側も何が正解なのか分からなかったからかもしれません。意図せずピーター・パーカーの大切な部分の責任を背負うことになってしまったCoelho-Kostolnyさんは、とにかく参考資料を集めたそう。その中には当然、自分の乳首も含まれます。
同時に、下着とその中のことも考える必要がありました。ブリーフにシワはよっているのか、お尻の高さはどれくらいなのか……。そして最終的に出来上がったのが、下腹部のV字と腰の括れを際立たせる“シワなしローライズトランクブリーフ”と、少し大きめな“膨らみ”だったのだとか。