Googleアシスタント新機能「Read It」発表 テキストコンテンツに新たな可能性をもたらす?
アメリカ最大の消費者向け電子機器の見本市『CES』(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)が、1月7日~10日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された。
地元米国企業のGoogleは、会場で新たなハードウェアの展示は行わなかったが、非常にインパクトのある機能を発表した。Googleアシスタントの「Read It」だ。
Googleアシスタントがウェブサイトを人のように朗読
AIを駆使したGoogleアシスタントは、近いうちにウェブサイトの活字を、人が読むように強弱をつけた自然な音で読んでくれるようになるという。ロボットのような自動音声では、人は聴き飽きてしまうため、これは地味なようで大きな効果が見込める。人工知能のニューラルネットワークが、この機能の実現で重要な役割を果たしている。
やがては、自動でスクロールを行い、読んでいる箇所をわかり易くハイライト表示するようになるという。42カ国語に対応し、そこには日本語も含まれている。
『CNBC』は「Googleが間もなくウェブサイトを読むようになる」という見出しで、これを詳しく報じている(参考:https://www.cnbc.com/2020/01/07/google-will-read-websites-to-you-company-says-at-ces-2020.html)。
活字へのアクセスを容易にすることで新たなコンテンツの可能性も?
この機能により、視覚障害のある人も活字を音にして、情報に簡単にアクセスできる。
また、難しい長文を読破しようとして挫折するような人ーーとっつき難い活字より、手軽な動画を好む傾向があると言われている今日の若い世代は、このスマートアシスタント機能により、難解な長文を読まずに聴くことで、以前より積極的に親しむことができる。人々が、よりハイレベルな文献にアクセスすることで、人口全体の知識水準も底上げされるのではないかと期待されるところだ。
液晶スクリーンは、紙媒体より多くの光を放っており、人々は、より多くの情報を得れば得るほど、目を酷使している。これは、多くの現代人が避けては通れないものになっている。
仕事や学校が終わった後に、読書をする余力はもはや残っていない場合も多いが、Googleアシスタントの「Read It」を使えば、電車に乗っている間にも、耳から自然に情報が流れ込んでくる。
海外で多くのユーザーを獲得しているオーディオブックやPodcastに近い機能をテキストにもたせることのできる「Read It」は、新たなコンテンツの可能性を広げるものになるだろう。