Obsidian新作『Outer World』発売 海外ではストーリー評価も「薄味」との声
10月25日、Xbox ONE/PS4/Windows対応SFアクションRPG『Outer World(アウター・ワールド)』がリリースされた。本タイトルは、あのゲームシリーズを手がけるゲームスタジオの新作というだけあって、リリース前から注目されていた。多数の海外メディアが早速レビューを公開しているのだが、長所と短所がはっきりしているようだ。
現代社会を風刺するレトロフューチャーSF
『アウター・ワールド』を開発したのは、人気ゲームシリーズ『Fallout』を手がけたObsidian Entertainmentである。本タイトルも『Fallout』シリーズを彷彿とさせるようなレトロフューチャーなグラフィック、そして「何でもあり」と思わせるような自由度の高さを備えている。
本タイトルは架空の未来において宇宙に移民しようとしたプレイヤーが事故により長期の冷凍睡眠を余儀なくされた後、ハルシオンと呼ばれるコロニーで目覚めるところから始まる。ハルシオンではある巨大企業が実質的な政治的統治権を有しているのだが、貧富の差が拡大して閉塞的な階級社会が成立した一種のディストピア世界として描写されている(下の動画参照)。こうした世界観はGAFAに代表される巨大企業による経済的支配が進行する現代社会の誇張された姿とも見ることができ、本タイトルが現代社会を風刺しようとしていることがうかがえる。
本タイトルも『Fallout』シリーズと同様にプレイヤーの選択によってストーリー展開が大きく変わるのはもちろんのこと、NPCもプレイヤーの選択の影響を受ける。また「欠点」と呼ばれるシステムも導入されている。このシステムは例えば何らかの敵との戦いが苦手な場合、その敵に対する「恐怖症」という特徴をキャラクターが保持するというものである。しかし、何らかの欠点をもつ代償にほかのパーク(特殊能力)を得られるようになる。こうした欠点におかげで、プレイヤーは単に強いだけではない思い入れのあるキャラクターを育成することができるのだ。
小さいボリュームながら、濃いストーリー
『アウター・ワールド』をレビューした海外メディアの記事の多くが、本タイトルの売りとも言える自由度の高いストーリー展開を称賛している。さらには最近ではクリアまでに要する時間が100時間になることも少なくないアクションRPGゲームがあるなか、本タイトルは自由度を犠牲にせずに20~30時間程度でクリアできる点を評価しているメディアもある。以下に各メディアのレビューの一部を抜粋する。
・ アウター・ワールドはほとんどの最新のRPGの3分の1の時間でクリアできるが、深さは3倍だ...自由度が非常に高いため、ストーリーをほぼ即座に脱線させることができる(テック系メディア『PCWorld』)
・アウター・ワールドはときおり最高な側面を見せてくれる。登場するキャラクターの人間性を真剣に掘り下げ...優れた声優とキャラクターデザインのおかげで今までプレイしてきたRPGよりも生き生きしている(エンタメ系メディア『VICE』)
・アウター・ワールドはたしかにFalloutシリーズのゲームではない。しかし、驚くべきことにこのシリーズで実現できたかも知れない最高のゲームなのだ...シナリオはよくまとまり繊細なので、無意味な時間や過度に劇的な時間に耐えなくてよい(ゲームメディア『GameSpot』)
・プレイヤーが考慮しなければならない無数の選択と結果を考えると気が遠くなるが、それがアウター・ワールドをとても楽しいものにしている(テック系メディア『Geek』)。