YouTuberはなぜ「休み」を宣言するのか? 毎日投稿の重みと変わりつつある“労働環境”

 適度な休みがいい仕事につながる、というのはどの業界にも言えることだろう。「お休み」を宣言するYouTuberたちに、ファンも好意的だ。実際、先に紹介した東海オンエアの動画でも、コメント欄には「時々休んで長く続けてくれるのが理想 ゆっくりしてください。」「YouTuberなんか本来自由に一番出来るはずやのに一番出来ひんこの風潮無くなれー!笑」「好きな時に自由に休んでくれていいんやけどなぁ〜」といった「休み宣言」に賛同するメッセージが多数寄せられていた。

 一方で、チャンネル登録者数が400万人を超える人気YouTuberコンビで、2015年1月1日から現在に至るまで、毎日投稿を続けている「水溜りボンド」のようなクリエイターもいる。しかし彼らの場合、企画・編集を主に担当するカンタが、「休めと言われて、手ぶらでハワイ旅行に行ったとしても、現地でカメラと編集用のMacを買ってしまうと思う」という趣旨の発言をするほどの“動画好き”だという事情もある。もちろん、過密スケジュールや体調不良、気落ちする出来事など、厳しい時期もあったと想像されるが、毎日投稿を楽しく続けているように見える彼らは、まさにYouTuberが天職と言えるだろう。

 いずれにしても、クリエイターの疲弊はファンの望むところではない。視聴者の根本にあるのは「面白い動画が観たい」という欲求であり、ヒカキンも過去のインタビューにおいて、「何年か先にも残るような動画を時間をかけて作りたい」と語り、そのためにはやはり「ゆっくり考える時間を作るべき」と説いていた。トップYouTuberがこれからもポジティブな休みを宣言し、実践し続ければ、YouTuber業界は今後「量から質」の時代に転換されていくのかもしれない。

■こじへい
1986年生まれのフリーライター。芸能・スポーツ・音楽・カルチャーのコラム・リリース記事から、ゲームのシナリオ、求人広告まで幅広く執筆中。

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