『Nintendo Switch Lite』が売れるのは「3DS後継機」だから? 海外メディアが考察

『Switch Lite』は『Switch』販売台数も増やす?

 ところで、『Nintendo Switch Lite』の登場は『Nintendo Switch』の売上に何らかの影響を与えるのだろうか。ゲームメディア『Gamingbolt』は13日、こうした疑問に答える記事を公開した。同メディアは、『Nintendo Switch Lite』の登場は『Nintendo Switch』の販売数も増加させると見ている。前述したように、『Nintendo Switch Lite』のゲーム体験は『Nintendo Switch』に比べて制限されたものである。これまで『Nintendo Switch』を買い控えていたユーザーは『Nintendo Switch Lite』のゲーム体験が制限されたものとわかったので、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のような高品質のゲームをプレイしたい場合はやはり『Nintendo Switch』を購入するしかない、と思うだろう。それゆえ、『Nintendo Switch Lite』の登場は『Nintendo Switch』の売上も増やすというわけなのだ。

 いいこと尽くめにも見えるLiteの投入に関しては、若干の懸念事項もある。イギリスのタブロイド紙『Daily Star』電子版は14日、『Nintendo Switch Lite』をすぐに購入すべきではないと主張した記事を公開した。そのように主張するのは、『Nintendo Switch Lite』から『Nintendo Switch』にセーブデータを簡単に引き継ぐ方法がまだ不明だからである。『Nintendo Switch Lite』の公式サイトには「Nintendo Switch Liteを2台目の本体としてご検討の方へ」という項目で、『Nintendo Switch』から『Nintendo Switch Lite』にセーブデータを引っ越す方法が解説されている。しかし、解説されている方法は引っ越すたびに設定画面を立ち上げるものとなっており、『Nintendo Switch』と『Nintendo Switch Lite』のシームレスなプレイというものは想定されていない。もっとも、任天堂アメリカ法人社長のDoug Bowser氏が『CNET』に対してセーブデータ引き継ぎ方法を開発中とコメントしているので、近い将来にシームレスなセーブデータ引き継ぎが実現することだろう。

 以上のように『Nintendo Switch Lite』は実質的な『Nintendo 3DS』後継機と見なされているものも、US版『WIRED』が指摘するように『Nintendo Switch』とのクロスプラットフォーム展開が今後の注目の的となるだろう。このクロスプラットフォーム展開こそ、今年後半から台頭するゲーム機に依存しないゲームストリーミングサービスに対する任天堂の対応策のひとつと言えるのではないだろうか。

サムネイル画像出典:任天堂公式サイトおよびNINTENDO 3DS公式サイトより画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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