アメリカによるイランへの経済制裁は『LoL』にまで ゲームは政争の道具になってしまうのか?
ゲームは政争の道具になってしまうのか
世界では近年、競技性のあるゲームをスポーツとして位置づけるようになった。オリンピックやサッカーのワールドカップといった国際的なスポーツの祭典とまではいわないものの、大きな賞金の動く世界大会も幾度となく開催されている。『LoL』自体も世界的に普及しているeスポーツの代表的なゲームでもあるため、今回の処置は世界のゲームプレイヤー・デベロッパーに対して、今後につながる大きなインパクトを残すだろう。
そして、ゲームを開発しているのは、アメリカ企業だけではない。今後は他の紛争でも、ゲームが遮断される可能性が否定できない状況となってしまった。例えば、中国とアメリカは現在、熾烈な経済戦争のさなかにあるが、お互いの国のゲームがプレイできなくなるという可能性も浮上してきた。
オリンピックやサッカーワールドカップにおいて、主催者側から「政治とスポーツは分離すべきだ」というステートメントが出されているが、ネットワークで世界をつなぎ、国境を超えて対戦というコミュニケーションを行うゲームは、国際政治の道具として利用されることになってしまうのか。これに対してゲームデベロッパーやプレイヤーがどんな声を上げていくのか、引き続き注目していきたい。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。