「ゲーム定額サービス」戦国時代の到来か? Amazonがゲームストリーミングサービス構築中
無料もしくは有料でコンテンツを無制限で楽しめるストリーミングサービスは、音楽から始まり動画にも波及した。そして、今後はゲームもストリーミングの対象になると見られている。こうした成長が見込まれるゲームストリーミングサービスに、あの大手ネット通販企業が参入するようだ。
2020年の提供を計画
ビジネスインサイダーは11日、Amazonがゲームストリーミングサービスを構築中であることを報じた。サービス構築の進捗はまだ初期段階のようで、最短で2020年からの提供開始となると予想されている。
テック系メディアThe Vergeも10日、同様の内容の記事を公開している。この記事では、Amazonがゲームストリーミングサービスを構築中である証拠として、同社が出している求人を伝えている。その求人では「クラウドゲーム開発のエンジニア」を求めていると書かれていることから、PCやスマホにダウンロードしてプレイするゲームではなく、クラウドベースで動作するものを開発しようとしていることが分かる。
ゲームストリーミングサービスに参入しようとしているのは、Amazonだけではない。Googleは「Project Stream」と名付けたゲームストリーミングサービスを試験運用中であり、その試験には人気作『アサシン クリード オデッセイ』が使われている。また、MicrosoftもXBox Oneのゲームをプレイできる「Project xCloud」を構築中であり、今年にはパブリックトライアルを開始する予定だ。
布石を打ってきたAmazon
一般にはゲーム業界の主要企業とは見られていないAmazonは、実のところ、かなり以前からゲーム事業に投資してきた。海外では有名なゲーム動画サイトTwitchは、2014年にAmazonに買収されている。同じく2014年にはゲーム開発部門「アマゾンゲームスタジオ」を設立し、同年にはクラウドゲーム「The Unmaking 」のトレーラー動画を公開している(下の動画参照)。同スタジオから正式リリースされたゲームはまだないものも、現在でも活動を続けている。
2017年には、クラウドゲーム開発を専門にしていたイギリスのゲームスタジオGameSparksを買収した。この買収によって、オンラインゲーム用のサーバサービスを構築した。このサービスは、DeNAやGREEに採用されている。
以上のようなゲーム事業への投資を行った結果、Amazonはゲームストリーミングサービスの環境およびコンテンツを開発・運用するポテンシャルを有するに至っているのだ。